「若い頃の元気がなくなった」と思うことは、30歳を過ぎれば誰でもいつか生じる感覚でしょう。ですがその感覚の落差が非常に大きい場合、それは何らかの心身の異常のサインであることがあります。
検査をしても特に原因が見つからない、だけど気力が全く湧かず元気が出てこない。 そこで「うつ」とされてしまうことは実際にあるでしょう。ですがそれは本当にうつ? もしかするとそれは男性更年期障害(LOH症候群) かもしれません。
実は男性にも女性と同様に更年期障害があることが最近は広く知られるようになってきました。LOH症候群(不元気症候群)は、ストレスなどの複数の要因が複雑に関係し、「原因不明の元気が出ない状態」になります。
男性ホルモン(テストステロン)が低下する40~50歳代に多いとされていますが、最近では40代以下の若年層にも、同じ症状を訴える人が増えつつあり、これは「若年性更年期障害」と呼ばれます。
男性ホルモン(テストステロン)の低下により「うつ」に似た無気力・疲労感・倦怠感などが生じるわけですね。
LOH症候群 チェックシート
以下に、LOH症候群のチェックに使用用される『ハイネマンの質問表』を紹介します。17の質問について以下の1~5の中から当てはまるものを選びその合計を出してください。
1 = ない ( 1点 ) 2 = 軽い ( 2点 ) 3 = 中程度 ( 3点 ) 4 = 重い ( 4点 ) 5 = 非常に重い ( 5点 )
〇 合計点
17点~26点=なし
27点~36点=軽度のLOH症候群の疑いあり
37点~49点=中度のLOH症候群の疑いあり
50点以上 =重度のLOH症候群の疑いあり
1. 総合的に調子が思わしくない。
2. 関節や筋肉の痛み
3. ひどい発汗
4. 睡眠の悩み
5. よく眠くなる。しばしば疲れを感じる。
6. イライラする
7. 神経質になった
8. 不安感
9. 体の疲労や行動力の減退
10.筋力の低下
11. 憂うつな気分
12.「絶頂期は過ぎた」と感じる
13.力尽きた、どん底にいると感じる
14.ヒゲの伸びが遅くなった
15.性的能力の衰え
16.早朝勃起の回数の減少
17.性欲の低下
自殺は女性よりも男性の方が多いのですが、特に40~60代に自殺が多く、その原因で最も多いのが「うつ」とされています。ですが男性更年期障害(LOH症候群)もちょうど重なるわけですね、年齢も症状も。
そして「慢性的なストレス」が大いに関係しているのも「うつ」に似ています。男性ホルモン(テストステロン)が減少すると、脳がストレスに耐える力が弱くなります。「ストレス耐性の低下による悪循環」、これも「うつ」に似ていますね。
男性ホルモンが極端に減ると、 「性機能」だけでなく 「認知機能」や「身体機能」も低下します。このような心身の変化が起きている時に、周囲や社会的な環境の大きな変化などが重なると、「不定愁訴」が現れるようになります。
※ 検査で男性ホルモンが正常レベルであれば男性更年期の症状ではないので、うつ病など他の疾患を考えなければなりません。
元気がない男性のためのエクササイズ
男性ホルモン( テストステロン)は生殖器で作られますが、アメリカの心理学者、ジェイムズ・M・ダブスはテストステロンの量が多いほど暴力的な犯罪を犯していることが分かったと述べています。
男性ホルモンは、性欲の強さ、積極性、攻撃性などに影響していると言われますが、「男らしさ」というものを生物学的に見れば、シンプルにこの三つの要素は不可欠です。なのでこれもバランスの問題でしょう。多ければ多いほど良いというわけでなく、少な過ぎてもダメなんですね。
男性ホルモン( テストステロン)が減少して無気力状態になり元気がない男性の場合、それを増やしてやればよいのです。
男性ホルモン( テストステロン)は、「大脳辺縁系」の視床下部・脳下垂体の指令を受けて発動するものなので、テストステロンを増やすには、好きなこと・趣味などに熱中したり、感動することによって大脳辺縁系を刺激することで分泌は増加します。
また、筋力トレーニングや興奮(例えば恋愛)によってもテストステロンの分泌が促されます。そして 7時間以上の睡眠をとること。関連する過去記事を紹介します。⇒ 元気回復のためのエクササイズ「ヨガ+体幹トレーニング」
また「太陽光」に当たるのもよいので、関連記事を紹介しますね。⇒ 「太陽・光」+イメージ療法 ちょっとした元気回復エクササイズ
亜鉛、ビタミンE、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC などを多く含む食事が良い。亜鉛はサプリを活用した方が良い。 例:牡蠣、牛肉、鶏肉、豆類、卵、 にんにくなど 。
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