幸せと苦しみの心理学  東洋的な感性 瞑想と心理学アプローチ

 

幸せはいったいどこにあり何なのでしょうか?そして「喜び」「幸せ」は同じものでしょうか?

心理感覚としての喜びは苦痛や悲しみと合わせ鏡になっています。つまり相互依存した相対的な心理感覚的な反応ですが、「幸せ」は「不幸」と相互依存した合わせ鏡にはなっていません。それぞれは別々な状態として独立して存在しています。

また喜びは嫉妬や憎悪の感情とセットで働くこともありますが、幸せは嫉妬や憎悪の感情とセットでは働かず、刺激や差異感覚による相対的な優越感ともセットではありません。

物質的な繁栄・相対的な優位性という「心理感覚的な喜び」を求めた結果、私たちはむしろ「幸せ」を失っているというパラドックスに陥っています。

「成功哲学の嘘」の記事でも「イースタリンの逆説」という概念を少し書きましたが、過剰な闘争社会を形成し物質的に繁栄・発展した日本・中国・韓国はいずれも、非常に高い自殺率と国民の幸福度の低さという反比例した心理的な状態に陥っています。

私たちは「喜び」と「幸せ」を同じだと錯覚していた、錯覚している、のではないでしょうか?そして多くの人々が日々、宣伝・コマーシャル、メディアや雑誌などの情報の刺激を受けて無意識に揺さぶられ続けています、「喜びに向かえ」と。

そして「喜びに向かい続けた」結果、「幸福」を感じられないというパラドックスに陥るわけです。もっと強い刺激、さらにもっと..まるで中毒のようにそれはより強くより多くが必要になってくる。

東北大震災の後、特に東北・関東の多くの人々に意識のシフトチェンジが起きました。「喜び」と「幸せ」は同じではなく違うんじゃないか?という気づきが多くの人に起こったんですね。

そして「幸せ」であるために「喜びの飽くなき追求」は必要ないということにも気づき始めました。喜びは程ほどで良い、それよりも「幸せ」でありたい。という感じに。

禅・瞑想の精神・肉体への効果・影響の心理学的検証の参考として、生化学者から仏門を選んだフランス人のマチュー リシャールのよるTEDの動画を紹介しましょう。

幸せとは何で、どうやったら幸せになれるのでしょうか? は、我々の心を鍛えて満ち足りた状態を習慣にすることによって、心の奥底からの静かな充足を生み出すことができると言います。

 

そして次に紹介するのは心理学者ロバート・ウォールディンガーによる「人生を幸せにするのは何か?」というテーマの研究の結果報告です。

このアプローチによって見えてきた「人間の自然な幸せ」もシンプルな本質が語られています。「他者よりも圧倒的に秀でる」とか、「膨大な富や名声を手に入れる」とかそういうことではなく、

互いに蹴落とし合い、人を出し抜いて出世する」とか、「より多く獲得し、より多くの刺激を求め続ける」というようなことではないんですね。

ヒトの幸せという心・精神の状態というものを東洋的な感性アプローチで見ても、あるいは実験と検証データに基づく西洋の心理学アプローチで見ても、辿りつく答えはシンプルで自然なもの。

 

「ロバート・ウォールディンガー: 人生を幸せにするのは何?最も長期に渡る幸福の研究から」より
(前略)
ハーバード成人発達研究は 史上最も長期に渡って 成人を追跡した研究です 75年間724人の男性を追跡し 休むことなく 仕事や家庭生活 健康などを記録しました
(中略)
この様な研究は非常に稀です こんな計画は10年もしない内 頓挫してしまいます あまりに多くの人が途中で プロジェクトを降りてしまう

研究の資金が不足して来る 研究者達が他の事で忙しくなったり亡くなってしまう などが原因で 進行が止まってしまうからです
(中略)
これから分かった事は 彼らの人生から得た 何万ページにもなる情報から 分かった事は何でしょう?

それは富でも名声でも 無我夢中で働く事でもなく 75年に渡る研究から はっきりと分かった事は 私たちを健康に幸福にするのは良い人間関係に尽きるという事です
(中略)
ここで重大な事は 友人の数だけが ものをいうのではなく 生涯を共にする相手の 有無でもないのです 重要なのは 身近な人達との 関係の質なのです 引用ここまで -つづきは以下動画にて -

 

「いつも不幸せな人々の「7つの習慣」」 より引用抜粋

アメリカの心理学の専門誌「サイコロジー・トゥディ」によると、カリフォルニア大学の研究員のソニア・リュボミアスキーはこう述べています。「私たちが幸福になれるかどうかの40%は、私たち自身が変われるかどうかの能力にかかっています」。
(中略)
長年にわたって、私はいつも不幸せでいる人々が、ある特徴と習慣を持っていることを学びました。しかし、そのことについてあなたと考えてみる前に、次のことはあらかじめ申し上げておかなければいけません。

私たちすべてがこの7つにあてはまり、ひどい日も、さらには数週間にわたるひどい時期も経験することがあるのです。

幸福な人生と不幸せな人生との間にある違いは、どれほどの頻度で、そして、どれぐらい長く、その状態にいるかどうかなのです。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ いつも不幸せな人々の「7つの習慣」

 

いつも不幸せな人々の「7つの習慣」をピックアップして以下にまとめました。説明の部分は省いていますのでそれは記事リンク先にてご覧ください。

1. 人生は厳しいものだと信じている。
2. ほとんどの人間を信用できないと思っている。
3. 世の中の正しいことより間違っていることの方
ばかり考えている。
4. 自分を他人と比べて嫉妬心を持っている。
5. 自分の人生を支配しようと奮闘する。
6. 未来は不安と恐怖に満ちていると考えている。
7. 噂話や悪口ばかり話している。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました