今日は東洋的なアプローチと科学的見解の双方から、昨日に引き続いて「睡眠」の大事さに関してと、睡眠というものは何か?を先に書きます。
睡眠時は、私たちは脳の働きを休めて無意識状態にいます。
うつ病だと徐波睡眠(=深い睡眠)が減り、レム睡眠中に眼球が普通よりもよく動いているという(=レム活動の増加)。精神科医 ぷしこノート より
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夢を見ているかどうかは、「レム睡眠」か「ノンレム睡眠」かを見ればわかる、という従来の定説を覆す研究が発表された。後部皮質領域の「ホットゾーン」の活動を観察することで、被験者が夢を見ているかどうか、さらには夢の内容までもが特定できるという。
脳波は、脳が活動する際に発生する波のような微弱な電気信号です。 脳波には、周波数によって、γ波(ガンマ波)、β波(ベータ波)、α波(アルファ波)、θ波(シータ波)、δ波(デルタ波)の5種類に大きく分かれます。 それぞれの脳波は、脳の状態や精神活動によって変化し、異なる効果を持っています。
そして昨日書いたように「一人反省会」などのネガティブな思考は、「眠る前にしないように」と書いたのは、浅い眠りの時に「海馬」がシータ波を出して情報の脳内再生を行い、深い眠りの時には大脳皮質がデルタ波を出して記憶として保存するからです。
つまり、α波⇒θ波に移行する睡眠の過程は、顕在意識 ⇒ 潜在意識 ⇒無意識へと入っていく流れなので、その状態で「否定的な思い」を入力すると、通常よりも深い意識に「葛藤やネガティブな形状記憶」が形成されやすく、
そのために睡眠の本来の力が発揮されにくくなるだけでなく、それは「否定的な作用」として意識に残り続けるからです。
かといって眠る前に無理にハイなポジティブシンキングになる必要はありませんが、「安らいだ優しい気持ち」で眠ることで、睡眠の本来の力を発揮しやすくなり、否定的なものを蓄積しないようにすることが出来るのです。
では「睡眠の本来の力」とは何でしょうか?それは脳の掃除と片づけを睡眠時に行っているんですね。 ではこのことを科学的に研究・検証している記事を以下に紹介します。
「BBC News ヘルス By James Gallagher」 より引用抜粋
睡眠の真の役割
新しく発表された研究によると、睡眠とは日中にたまった脳内の老廃物の撤去作業で、睡眠をする最も重要な理由は、脳のゴミ出し作業であるとしている。
脳細胞は夜縮小して、神経細胞隙間が広がり、脳脊髄液が流れやすくなる。もし脳内にたまる老廃物を撤去しないと、各種脳の病気の原因になるとしている。
(中略)
「脳の洗浄作業は生きていくには必須であるが、起きている時にはできない。推測だが、脳脊髄液で脳全体を洗い流す作業は大変なのだろう」とネダガード氏は言う。「脳が休止期間中を利用して片付け作業をしているとは大変面白い。今までは睡眠を記憶とか心理で説明していたが、物理的、化学的にも重要な作業をしていたことになる」と睡眠の研究者であるネイル・スタンリー氏は言う。
「睡眠中に脳の生理機能が変化しているとは聞いている。神経細胞間隙が重要な役割をしているというのは面白い発見だが、すべてを説明しているとは思わない。
睡眠は脳細胞の回復活動であることは間違いない」とサリー大学で睡眠を講義しているラファエル・ウィンスキーソマラー氏は言う。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)引用元⇒ http://mui-therapy.org/newfinding/brain-cleans-toxin.html
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)では、世界トップレベルの研究者等が集って、「眠り」のメカニズムを研究していますが、
例えば「睡眠不足なのに眠れない」という状態を経験することは誰でもあることなのに、「脳内ではどうなっているのか」については不明だったわけですね。
ですが「眠り」には「オレキシン」という新しい脳内の情報伝達物質が関わっていることが発見され、「睡眠必要量」と「眠気」が別々にコントロールされているということをIIISは科学的に立証しました。
睡眠の役割と瞑想・気功・ヨガの役立て方
γ波は、周波数が最も高く、26~70Hzの範囲にあります。 γ波は、強い集中力や高度な認知能力を必要とする状況で発生します。 例えば、瞑想や学習、記憶、創造性などに関係しています。
β波は、周波数が13~25Hzの範囲にあります。 β波は、覚醒状態で活発な精神活動を行っているときに発生します。 例えば、仕事や勉強、運動、会話などに関係しています。
β波は、脳の注意力や判断力、論理的思考などを高める効果があります。 しかし、β波が過剰になると、ストレスや不安、イライラなどのネガティブな感情を引き起こすこともあります。 β波は、体にノルアドレナリンやアドレナリンというホルモンを分泌させることで、戦闘状態にする働きがあります。
α波は、周波数が8~12Hzの範囲にあります。 α波は、リラックスしているときやうとうとしているときに発生します。 例えば、目を閉じて深呼吸したり、音楽を聴いたり、瞑想したりするときに関係しています。
α波は、脳の緊張をほぐし、リラックス効果や副交感神経の活性化をもたらします。 また、α波は、創造性や直感力、記憶力などを高める効果もあります。 α波は、脳の視覚野に多く現れると言われています。
θ波は、周波数が5~7Hzの範囲にあります。 θ波は、浅い睡眠や深い瞑想の状態で発生します。 例えば、夢を見たり、催眠にかかったり、トランス状態に入ったりするときに関係しています。
θ波は、脳の潜在意識や無意識にアクセスする効果があります。 また、θ波は、記憶力や学習能力、ヒラメキや洞察力などを高める効果もあります。 θ波は、脳の海馬に多く現れると言われています。
δ波は、周波数が最も低く、0.5~4Hzの範囲にあります。 δ波は、深い睡眠の状態で発生します。 例えば、レム睡眠ではなくノンレム睡眠のときに関係しています。
δ波は、脳の回復や免疫力の向上、成長ホルモンの分泌などを促進する効果があります。 また、δ波は、無意識や超意識とのつながりを強める効果もあります。 δ波は、脳の大脳皮質に多く現れると言われています。
上の「睡眠」の研究でも出てきたように、これはとても重要なポイントです。「良い睡眠」は、潜在意識、さらに無意識の深い領域を癒し調和の状態に回復させます。
そして気功や禅、瞑想の意味も、ひとつはそういうものなんですね。気功や禅、瞑想では、まずはリラックスし、β
これは「意識的に睡眠時の状態に入っていく方法」とも言えます。そして 「丹田」に意識を置くというのは複数の意味がありますが、ひとつは「脳を休める」ことで脳波がα波になりやすくなる、という効果があります。
「丹田」に意識を置くことで脳を休め、脳のリラックス状態を作った後に、「気を動かす」ことで、脳脊髄液の流れを意識的に作り出しているわけです。 以下のリンク先の記事も参考にしてみてください。
そして「体内」に「気」の動きを感じるというのは、髄液・血液の流れの「内的な知覚」と密接に関わっているのです。
心身の内側からの自浄作用を促進し、調和の回復と自然治癒力の増大、これを意識的に起こすのが気功やヨガの技術の健康への効果です。
覚醒θ波とγ波
θ波は、ぼーっ
瞑想には「深さのレベル・段階」があり、いきなり深いレベルに入るのは初心者は難しいですが、α波⇒覚醒θ波へ向かう流れが一般的には癒し効果のある瞑想の状態なんですね。
※もっと深いδ(デルタ)波レベルの瞑想者も存在しますが、一般の方はそこまでやる必要はありません。
東大の久恒辰博博士が、サルを使った実験で、海馬にシータ波が伝わると、大人でも新しい神経細胞(新生ニューロン)が生まれていることをつきとめています。
参考⇒ http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_170915_j.html
久恒博士は、シータ波は集中力ややる気と相互関係にあり、人生を成功に導く鍵になると言いいますが、これも「覚醒θ波」のことであり、このθ波は「瞑想」「運動」「好きなことを学習している時」などに発生すると博士はいいます。
これは昔から「好きこそものの上手なれ」ということわざにもあるように、感性的によく知られていた常識でもあり、
そして禅や瞑想というものは、キチンとした手順にのっとり変なことを過剰にやり過ぎなければ、心身に普通に良い影響があり、そこには深い知恵が込められているんですね。
以下の記事も参考のどうぞ。
⇒ 心身の癒しと健康・元気回復のためのエクササイズ「ヨガ+体幹トレーニング」
次に紹介の動画はθ波音楽で、「覚醒θ波」の波長の音楽です。とても気持ちよく脳がリラックスします。
ヨガや気功やトレーニング、その他エクササイズをする時などにかけても良いですし、眠る前にボーっと聞き流しつつ、「幸せ・安らかさ・温かさを」イメージしてそのまま眠りに就くのもよいでしょう。
追加更新ですが、γ波は、脳の様々な部位の神経細胞が同期して活動することで生じると考えられ、米国マサチューセッツ工科大学のリーフエ・ツァイ(Li-Huei Tsai)博士らの研究グループによると、アルツハイマー病の原因物質を減らす効果や、感情の安定にも関係していると言われています。
そしてこのγ波は瞑想など高次の精神活動の際に出やすいんですね。➡「耳と目からのγ波の刺激でアルツハイマー原因物質が減る!」
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