うつ病 – セルフチェックと診断基準

 

重症時のにおいて起こる三大妄想に「心気妄想 貧困妄想 罪業妄想」と呼ばれるものがあります。 これらは統合失調症などで見られる幻覚や幻聴などとは違います。

もしかすると自分は酷い病気じゃないか? 自分は罪人だ、警察に捕まるんじゃないか?自分は酷い貧乏だ、など、とにかく酷い病気でもなく犯罪者でもなく本当に貧乏でもない人が、自分は絶対そうだと思いこみ、またそれを異常なくらい気にする妄想です。

このような人があなたの側にいれば、あるいはあなたがそうなら、確かに鬱の症状を引き起こしている可能性は高いわけですが、鬱の人がみなこのような三大妄想などの重い症状を引き起こしているわけではありませんよね。

うつ診断のチェックシートなどを色々見ていると、それぞれチェックシートには多少の違いはありますが、おおむね共通点があることはすぐにわかります。

◇ 医者と学ぶ「心のサプリ」より   

うつ病の症状かどうかを早期発見するために、CES-Dという心理検査は非常に有用です。CES-Dは本人が自分でチェックしていくことで、うつ症状をスクリーニングすることができます。

CES-D(うつ病自己評価尺度)は、うつ病を早期発見するために開発された心理検査です。BDIやSDSといった既存のうつ病の心理検査から質問項目を精査し、米国国立精神保健研究所(NIMH)により開発されました。

自己記入式の心理検査のため実施もしやすく、その有用性の高さから世界的にも普及している心理検査です。病院に受診する際に実施されることも多いです。 - 引用ここまで –

引用元 ⇒ http://mentalsupli.com/checklist/ces-d/

関連外部サイト ➡ 【専門家が解説】CES-D(うつ病自己評価尺度)

 

過去にも書いているように私は「うつ」であるということを知らず、またそのわけのわからない苦悩の状態を誰にも告知せずに自力で乗り越えてきたんですが、

因みにこのCES-Dで昔の私がうつだった約10年間の平均的な心理的感覚で試してみると40~50点を慢性的に超えている状態で、またその時期の一番ヤバかった時期はこのチェック項目にはない別の状態も他にありました。

うつの診断基準としてWHOの「ICD-10」、そして米国精神医学会のDSM-IVがよく使われてます。

DSM-IVはうつの特徴的な症状がコンパクトによくまとまってあるので、セルフチェックする場合の参考にも良いと思いますね。 以下にDSM-IVの診断基準をまとめておきました。

◇ 米国精神医学会(APA)が作成した精神病の診断基準

 

● 大鬱病エピソード DSM-IV-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル)

①継続的に続いている抑うつ気分がある。  

②楽しさ・喜びの感覚がなく興味・関心もわかない。

③激しい体重減少及び体重増加。食欲低下及び増加。  

④継続的に続いている不眠状態や過眠状態。

⑤イライラ、ソワソワ落ち着かない、または制止。

⑥疲れやすく、疲れがとれない。気力の減退。

⑦強い自責の念・罪悪感・無価値感。

⑧集中力・思考力の低下と決断困難。

⑨自殺を何度も考える、口にする。自殺企図。

上の①~⑨の中で、①か②のどちらかを含むことを必須条件に、合計5つ以上が継続的に2週間以上続いて苦痛があり、日々の生活、仕事などの日常活動にも障害・支障を来たしている。

※気分と一致しない妄想や幻覚症状は除く。物質・薬物の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患や愛する者を失った後の死別反応などは含まない。 

 

● 躁病エピソード DSM-IV-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル) 

継続的に気分が過剰なハイテンション状態であり、開放感とイライラ感、普段と異なる意識状態が最低一週間は続く。(入院治療が必要と見られるレベルでは症状の継続期間は関係なし)。

気分障害が起こっている期間中、以下の7つの症状のうち合計3つ以継続して(単に気分がイライラする場合は合計4つ)、はっきりと認められる。

 

①自尊心の肥大、または誇大がある。

②睡眠欲が低下し、少ない時間しか眠らなくてもよく休めたと感じる。

③いつもよりおしゃべりになり、まくしたてるようにひたすら喋ろうとする。

④考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態である。

⑤注意力が散漫である。

⑥仕事での活動や性的行動、社会的活動において目標志向性の活動が増加。 または精神的なものによって起こるイライラ・焦りがある。

⑦思慮分別を欠いた快楽や無計画な活動にハマる。

①~⑦のような症状があり、日々の生活、仕事などの日常活動にも障害・支障を来たしている。そして自他を傷つける恐れがあり、それをを防ぐために入院が必要と判断されるか、または精神病性の特徴が存在する。

※物質・薬物の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患などは含まない。

 

鬱病と間違われやすいもの

うつ病と勘違いされてしまうような症状を呈する病気には以下のものがあります。

心身症、認知症、統合失調症、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)、パニック障害、 強迫性障害、 社交不安障害、慢性疲労症候群、がん、 糖尿病、肝臓病、腎臓病、脳血管障害、甲状腺の機能障害、など。

鬱は元々原因がひとつに断定できない複雑な病であり、その上にさらにこれだけ多くの病気が鬱と似た症状を呈する事があるわけだから、プロの専門医でも診断ミスをしてしまう場合があるのもよくわかりますね。

コメント

  1. うつ病患者を救う会 より:

    うつ病で苦しんいる人たちのために、うつ病の治し方について情報提供しているものです。
    ブログを拝見させてもらいましたが、情報量が非常に多いのにびっくりしました。
    参考にしたいのですが、もう少しわかりやすく書いてもらえると助かります。

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