たまに霊能者などがうつ病は「霊障」だと語ったり、統合失調症や先天性の病気などが「霊障や生霊の仕業だ」と言うのを耳にしますね。
このブログはオカルトブログではありませんが、今日は霊障や生霊についてのテーマで書いてみました。
キッカケとなったのはあるブログで「返り念障」なるものが書かれてあり、読んでみると、心理学的には「よくあること」がそこに書かれていたんです。
「返り念障」というは、「自分自身が他者に発した悪意の想念が自分自身に跳ね返ってくる」というものですが、そこでは「気の概念」で説明していました。
実は私自身はこれが事実として存在することを明確に確認していますが、問題は「返り念障」がどのような心理学的メカニズムで生じているか?ということです。
「返り念障」の原理とは一体何でしょうか?「気の概念」での説明では自らが他者へ向けた悪想念が跳ね返って自らに否定的な影響力を与えるが、この場合、他者には影響は与えない。
つまり自身の悪想念で自身が苦しむわけですね。
そしてこれと正反対なのが「ミラーニューロン」の拡大解釈で、この場合は誰かが自分に向けた、あるいは誰かが発散している悪想念(意識の状態)が自分に否定的な共鳴現象を引き起こす、というふうに考えるわけです。
これはミラーニューロンという「他者を真似する脳の領域」が共鳴現象を引き起こすといわれている仮説ですが、この詳細はまたいつか書くとして、
自己責任なのか他者の責任なのか?というところですが、返り念障の原理は、自らが他者に放ったものが弾かれて自らに返ってくるという、気の概念や霊的な概念が存在するんですね。
本当にそうでしょうか? たとえば、相手の守護霊が強いから弾かれたとか相手の気が強いから弾かれたとか、そういうものは事実なのでしょうか?
先に私は返り念障は事実として存在すると書きましたが、それは「自らが他者に抱く悪想念が自らに否定的な影響を与える」というその部分だけのことだけであり、
守護霊とか気の概念などいうものが原理として事実だと決定したわけではありません。そしてそういうものを持ち出すと一見は辻褄が合う気もしますが、それは物事を複雑に解釈しているだけなんです。
私は気功の概念がわからないわけではありません。そして(主観的な意味で)気や波動という現象が存在しないと決めつけているわけではありません。
何故かというと中国武術や気功は若い頃から慣れ親しんでいて、体内を駆け巡る気のエネルギーがあることを体感的・主観的に知っているからです。
ですが客観的に見るならば「気」は生理現象のひとつであり、主観的には精妙な感覚ではありますが、それは超越的・神秘的なものではありません。
だからこの現象はもっとシンプルなものだと私は思います。
他者への否定的な想念というものは、それを思いめぐらしているその時点で否定的な影響を発生させています。「気や想念が他者に跳ね返された」からではなく、
「否定的な悪想念を抱くこと自体がそのままストレス」なんですね。憎しみや嫌悪の念がもたらす脳・神経系への作用は生物学的、生理学的、医学的にも確認できるものです。
そのストレスが心身の状態を悪くし、それによってさらに否定的な悪想念を発するわけです。
つまり自身で引き起こした悪想念によって自身が辛くなり、その辛くなった原因を他者に責任があるとすることでまた悪想念を生みだし、その悪想念でまた心身の状態が悪くなり、さらに他者への悪想念を増大させ、そしてそれが..とループし続いていくということですね。
だからこの場合では、「何も他者から跳ね返ってきてなどいない」わけですし、そもそも「自分や他者から生霊なんてものが実体として出ているわけではない」のです。
最初から最後までそれは「自分の中で起きていること」であり、自己投影に過ぎないもの。
にもかかわらず自己投影物を自己投影物だと認めたくない心は、原因を「自分の外」に理由を探す。そして脳の働きが無意識的に記憶の投影物たる様々なビジョンを創造するわけです。
そのひとつが生霊であったり、他の悪魔的なものだったりするわけですね。自身が発生させた悪想念を自家発電的に増大させ、それがループしているだけであり、それを「他者のせい」だと思っているから無限ループが続くのだから、
このような場合、生霊とか気の反射現象とかも関係なく、またお祓いやら気功の修行なんてのもわざわざ大層に持ち出すまでもなく、
単に「他者への自己投影」を止めればよいだけです。それが燃料源になって自家発電されているわけだから。そしてそれはシンプルに健全に精神を整える一つの方法でもあります。
またこれに良く似たものとして、先に書いたミラーニューロンによる「無意識的な共鳴」が否定的な影響力として作用するという拡大解釈から考察している人もいますが、
この場合は「返り念障」の自己ループではなく、「他者の影響」を含みます。それはまた別の機会に書きますね。※ですがこのケースの場合でも、生霊やら悪魔やらは何の関係ありません。
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