ストレスとホメオスタシス  

 

今日は「ストレス」の種類とその種類に応じた対応の大まかな区分けと、「ホメオスタシス」「オートポイエーシスな身体・心・環境・システム」について前篇・後編に分けて書いています。

 

ホメオスタシス  三つの自己とオートポイエーシスな身体・心・環境・システム

 

2018/1 追加更新 – ここから

国立研究開発法人国立がん研究センターの研究結果の報告です。「常に自覚的ストレスレベルが高いグループ」は「常に自覚的ストレスレベルが低いグループ」に比べて全がん罹患リスクが上昇するとのことです。

 

「多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果 自覚的ストレスとがん罹患との関連について」 より引用抜粋

今回の研究では、40から69歳の男女約10万人について、1990年(または1993年)から2012年まで追跡調査し、自覚的ストレスの程度およびその変化とがん罹患との関連を調査しました。

その結果、追跡調査中にがんに罹患したのは17,161人で、長期的にみて、自覚的なストレスレベルが高いと、全がんで罹患リスクが高くなり、その関連は男性で強くみられることが分かりました。

また、罹患したがんを臓器別にみると、特に、肝がん・前立腺がんで自覚的ストレスが高いとリスクの上昇がみられました。– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果 自覚的ストレス
とがん罹患との関連について

 

多目的コホート研究」がいかなるものかを知らない人は、出来れば上記の続きをリンク先にて読んでみてくださいね、後半部の「多目的コホート研究の結果について」にわかりやすく書いています。

– 更新ここまで –

 

 

ホメオスタシス(恒常性)維持とは、内部環境を一定の状態に保つことであります。例:血液の酸度:健康な人の場合はほぼpH7.4で一定。血糖値:正常値は  60(70)~100(110)mg/デシリットル。 

 

関西弁でテンポよく面白く語る「せんせいたま」のWEB玉塾・動画が気に入っています。解剖生理学「ホメオスタシス」の初歩的・基本的な知識をおさらいしておきましょう。

 

解剖生理学「ホメオスタシス」

 

 

ストレスとホメオスタシス

 

ストレッサー(stressor) = 生物にストレス反応を引き起こす何らかの刺激」によって生じたストレスに対し全身がどのように適応していくかを、カナダのリエ博士が「3つの段階」で表しています。

 

ストレッサーには種類があり、それによって生じるストレスにも種類がありますのでその種類ごとに応じた対応・対策が適切です。セリエのストレス概念は生理学的な角度から見たもので、彼の定義するストレスとは、何らかの脅威に対する生体の適応反応のことです。

 

それは「警告期」⇒「抵抗期」⇒「疲憊期」の3段階を経るもので、抵抗力が高まった「抵抗期」を経て「疲憊期」へと至るわけです。

 

生体は、「自律神経系・内分泌系・免疫系」の総合作用で心身のバランスを保つシステム(ホメオスタシス)が維持されているわけですが、過剰なストレスが長期継続することによって、ホメオスタシスのバランスが壊れて病気になることがあるわけですね。

 

 

1.精神的ストレス  (落ち込み、不安、焦り、怒り、悲しみなど) 2.構造的ストレス  (体のゆがみ・姿勢の悪さなど) 3.化学的ストレス  (栄養の過不足・化学物質・太陽光など) 4.温度・湿度のストレス  (気温の高い低い、湿度の高い低いなど) 5.生物学的ストレス  (菌・ウイルスなど)

 

 

一般的に、精神的ストレス(心理社会的ストレス)の中でも強いものは、配偶者の死、離婚、 夫婦の別居、親族や友人の死などの「喪失体験」ですが、戦争体験や「幼児期・児童期の虐待」、そして子供・大人に関わらず過剰なイジメなども強いストレスとなります。

 

精神科医 心療内科医 廣瀬久益 氏によるDr.講話の動画「ストレスによる脳のダメージと回復1~3」のリンクを以下に紹介しておきますね。⇒ ストレスによる脳のダメージと回復(1/3)     ⇒ (2/3)  ⇒ (3/3)

 

ネガティブな感情が強い場合、脳内ではアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが活発に分泌されます。これらは状況によっては必要なものではありますので、全て悪いということではありませんが、心も 体も緊張優位な状態であるため、慢性化するとバランス異常になります。

 

医学博士 尾仲 達史(おなか たつし)氏によるPDF「ストレス反応とその脳内機構」から以下の図を紹介します。

 

図2 ストレス反応の分類分け
ストレス反応には,ノルアドレナリン依存性の反応とノルアドレナリンに依存しない系がある

 

PDF ➀   ストレス反応とその脳内機構

PDF ➁  ストレスから精神疾患に迫る

PDF ➂  細胞社会のコミュニケーション(全12 回)第11 回神経系・内分泌系・免疫系 浦野明央(北海道大学名誉教授)

 

 

精神的ストレスは、ある出来事に対して「それをどう受け取るのか」、つまり「認知」でも変化します。それをマイナスだと固定的に決めて思うことがストレスの質をさらに否定的なものに傾けます。

 

ストレッサーに対する個人の認知を扱うラザルスの「認知的評価理論」では、ストレッサーに対する「個人の主観的な評価」には一次的評価二次的評価があり、「ストレスへの対処」としては問題焦点型対処情動焦点型対処がありますので、それに関連するPDFも以下に紹介しておきますね。

 参考PDF ⇒ ストレスとストレス対処

 

 

もちろん限度を遥かに超えたストレスは、平静に受け止めることなど出来ませんし、過剰なポジティブマインドでの強引な受け止め方で無理に我慢してネガティブな心を抑圧し過ぎるのであれば、「無意識化された心のヒズミ」はいつか否定的な形式で噴出・現象化してきます。

 

精神的ストレスは認知療法・マインドフルネスなどが有効ですが、やはり人間の心の安定は「できる人間関係」というものがベースでしょう。また、「ストレス」と聞くと良いとこなしのように聞こえますが、ストレスには良い作用・別の意味もあります。

 

マインドフルネスに関しては以下の記事を参考にどうぞ。

〇 マインドフルネス 前篇 「東洋の脳トレ」 認知療法(MBCT)

〇 認知行動療法 マインドフルネス 後編  方法・実践 

 

「ストレスには良い作用」をそれぞれ異なる角度から考察している過去記事も参考に紹介しておきますね。 過去記事 ⇒ ストレスとオキシトシン 

 

 

ではここで、初歩的・基本的な知識のおさらいで「せんせいたま」のWEB玉塾・動画「内分泌(脳みそ)」を紹介です(^-^)。

 

解剖生理学 22話「内分泌(脳みそ)」

 

もうひとつ、おさらいで「せんせいたま」のWEB玉塾・動画「中枢神経」を紹介です(^-^)。

 

解剖生理学 35話「中枢神経」byWEB玉塾

 

 

 

整形外科で状態を検査出来る。身体の機能不全レルに応じた運動・ストッチ・マッージ・矯正 などで改善。

 

〇 体のゆがみ危険度チェック

〇 必見!子どもの体 ~姿勢、視力、靴の選び方、ケガ…について専門家が解説!

 

東洋的メソッドには心身一如の身体観があるため、調和的な身体バランスを整えるエクササイズや療法が豊富です。そして整体、そしてアメリカのカイロプラティックなどの民間療法の場合、施術者の技術・経験知はピンキリで、

 

しかも規制緩和によるグレーな施術・悪徳業者の存在なども懸念されますので、そのあたりの注意も含めて関連記事を以下にピックアップ紹介しておきます。

 

整体行っている方(行ったことがある方)ガールズちゃんねる
整体、カイロプラクティックで重症化・大ケガ増加!規制緩和で素人同然が開業
激増する「格安マッサージ」「中国式マッサージ」 気軽に行って大丈夫か? (1/6ページ)
整体やカイロプラクティックによる頸椎への施術の危険性について

 

年齢性差身体感性の相違などもあるため、自身の状態に合うものを選ぶ方が良いでしょう。参考にどうぞ ⇒ 心と体の健康エクササイズ まとめ

 

医師の指導の下でリハビリで活躍する理学療法士作業療法士のアプローチも役に立つことが沢山あるでしょう。以下に理学療法士による身体活動研究チャンネルのリンクと動画をひとつ紹介しておきますね。

 

理学療法士による身体活動研究チャンネル

理学療法士 PhysiTheraResearch

 

皮膚分節(デルマトーム)Dermatome:理学療法士による身体活動研究

 

 

生活環境(食事・睡眠・休息・作業・生活空間)などのバランス調整で対応。先にも紹介しましたが、このページに関連する記事があるので参考にどうぞ⇒ 心と体の健康エクササイズ まとめ

 

 

主に医学的アプローチ

 

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