昨日は科学的に「身体の心」を考察しましたが、今日は「身体の心」を感性で見てみましょう。「感性でみた身体の心」は、内容や切り口を変えて数回に分けて記事にする予定です。
今日は「うつ」という切り口から「身体の心」を見てみましょう。「うつ」は「甘え」だとか「弱さ」だとか「能力の低さ」だとか「精神の未熟さ」だとか、本当に言われ放題ですね。
確かに「新型うつ」のように、「大鬱」「躁鬱」とは異なるケースの「うつ」も現代は多く、その中にはひとくくりにできない複数の要因が含まれているものも存在するでしょうし、性格の問題とか個人の能力の問題等も関係している場合はあるでしょう。
とはいえ「うつ」は「なった人にしかわからないどうにもならないもの」も確かにある。まぁそうでなければ自殺なんて簡単にしないでしょう。
【ジュネーブ時事】世界保健機関(WHO)は9日、うつ病など精神疾患で苦しむ人が世界で3億5000万人を超えるとの推計を発表した。のうち、過半数がうつ病の兆候を示していたとみられ、うつ病に苦しむ人に気付き、治療の支援を行う必要があると訴えている。
このブログで何回かに分けて書いてきたように、うつと自殺は多くのケースでセットであり、自殺原因のトップが「うつ」です。
そして「うつ」になると何故人は死にたくなるのでしょうか?実は「うつ」=「自殺」ではないんですね。「うつ」+「?」=「自殺衝動及び自殺」です。
「うつ単体」では殆どの人は死なないでしょう。
「?」には社会・文化の影響や周りの理解、身体の状態や遺伝的な性格気質の傾向や、薬物などの副作用など様々なものが入りますが、今日は「周りの理解」と「身体の状態」の部分をメインに書いていきます。以下の記事も参考にして下さい。
⇒ なぜ、「死にたい」と思うのか?――「ウツ」と「自殺」の関係
次に、うつで自殺の危険がある男性の特徴を段階別にまとめた「メンジョイ」からの参考・引用で「うつ病で自殺する男性が出しているサイン」5つです。
■1位:不眠・過眠(81.8%)
自殺の2週間前くらいから、“夜眠れない”や、逆に“寝過ぎる” などの症状を訴えることが多かったようです。
■2位:ほぼ毎日疲れている、元気がない(69.7%)
■2位:自分には価値がない、役に立たない、失敗者だと思い込む(69.7%)
危険度第2位は同率です。うつ病患者の男性自殺者のうち、約7割に 疲労感”と“無価値観・罪悪感”のエピソードがありました。
■4位:憂うつな気分や気分の落ち込み(63.6%)
■5位:どうしても喜べない、または、興味が湧かない(57.6%)
以下、「あなたは「うつ病」を誤解している」より引用・抜粋(2018/4 追加更新)
脳の不調を図る最も感度のいい指標は、「睡眠」「食欲」「排便」です。つまり、うつ病の人は「不眠」「食欲低下」「便秘」が続く傾向があります。判断のメドとなる期間は2週間。国際医療福祉大学の原富英教授がうつ病を早期発見するコツを解説します――。<つづきは下記リンク先にて>⇒ “快食 快眠 快便”ならうつ病の心配はない 誤解と先入観が発見を遅らせる
上に紹介の最初の記事ですがこれは、私の観察の範囲でも大体同じでしたね。まず4位の状態から始まって、それからどんどん悪化して3位、2位となり、1位の状態になり、自殺衝動に襲われるという状況でしたね。
あと追加更新での紹介の記事ですが、「睡眠」「食欲」「排便」の中で「睡眠」と「食欲」の変化は特に顕著でした。
何故この人が?
ではここでTEDの動画を紹介しましょう。この動画に登場の「うつを患っている男性」は何故この人が? というタイプですね。
「うつ」は、遺伝要因を含む気質・性格傾向による「認知機能」のバランス異常の「内因性うつ病」の要素と、
家族と教育環境の影響 =「外因」による「心因性うつ病」の要素、そしてそこに「過剰な理性の働き」「過剰適応」が絡み、「自我の分離」を強めて引き起こされている複合型のケースなど多様性があります。
ケビン・ブリールは鬱とは無縁に見える青年でした。バスケチームのキャプテンで、パーティーにくり出し、面白くて自信に満ちて見えたからです。この講演で自らの命を救ったある夜について告白します。告白する必要があったのは簡単な一言でした。
相次ぐ 女子アナの自殺
日本テレビの女子アナで、山本アナ、大杉アナ、米森アナが相次ぐ自殺。みな第一子を出産した直後だっったんですね。「何故この人が?」という人ばかりです。
女子アナたちの自殺は「産後うつ」が原因のひとつともいえるでしょう。(大杉アナに関しては繊維筋痛症を苦にしての自殺といわれていますし、原因や動機はひとつではないでしょう。)
繊維筋痛症に関する補足記事を追加更新(2017/9)しましたので参考にどうぞ。⇒ 光と影 線維筋痛症とレディガガ
これが「うつ」の多様性です。「身体生理の急激な変化」に意識が巻き込まれてしまう状態で、更年期障害でうつ病になるケースなどもそうですね。
もし「出産後の通常とは異なる意識状態」でなければ、仮に人には言えない深い悩みがあったとしても自殺まではいかずに持ちこたえた可能性の方が高いでしょう。
「身体の心」それは意識にも投影されるんですね。そして身体生理が急激に変化する女性は、男性よりも生理的なものの影響を強く受けやすいともいえるでしょう。(男性の場合は社会的な圧の方が強く絡んでいたりする。)
この場合、精神論なんていうものは何の意味も無いんですね。とにかく「側にいて支えてあげること」それが大切です。
「うつ」は身体の急激な変化やバランス異常、そして遺伝的なものによる脳機能のバランス異常でも引き起こされます。その場合、精神論やらでひとくくりにすると余計なプレッシャーにしかならないんですね。
なので、人それぞれに、そのうつ状態がどのような要因がメインの引き金になったのかを注意深く考察しながら判断することが必要だと思います。
「自殺した山本真純アナ 「産後うつ」だった」 より引用抜粋
山本アナをよく知る人物は口を揃えて、「うつ病になるタイプじゃなかった」という。
ところが、山本アナが患っていた「産後うつ」は、出産後の女性の誰もがかかり得る病気で、産後女性の1割がかかるというデータもある。 実は、ほかにも出産直後に自殺したアナウンサーがいる。
(中略)
日本テレビの大杉君枝アナウンサー(当時43)が、2007年2月に都内で飛び降り自殺した。06年10月に第一子の男の子を出産したばかりだった。01年には同局に所属し、フリーで活動していた米森麻美アナウンサー(当時34)が急死。死因は明かされていないが、第一子を出産した直後だった。
(中略)
ハリウッド女優、グウィネス・パルトローさんも、産後うつを患っていた。自身のサイト「Goop.com」のニュースレターで告白した、と映画情報サイト「シネマカフェ」が10年7月23日に報じた。産後うつにかかると、不安感があったり、涙もろくなったり、不眠、イライラ、頭痛といった様々な症状が現れる。一般的なうつ病のように、几帳面でまじめな女性がかかりやすいといわれる。出産を喜べない環境や状況にあったり、夫から支援が得られないといった場でも、なりやすいそうだ。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ 自殺した山本真純アナ 「産後うつ」だった
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