「うつ」というと、大ヒットした「ツレがうつになりまして」のイメージもあるのか、男性が「死にたい、僕なんて..」という状態になってるというイメージが、健康な一般人のイメージとしては強いような気がしますが、
統計ではうつは女性の方が何倍も多いんですね。なんとなく男性は女性より身体は強くても結構心は弱くて、女性の方が生き物として逞しい、母は強しっていうイメージがありますね。
大阪のおばちゃんの逞しさなんてホント凄くて、地上最強の生命体に思えてきます。
ですがそれはイメージが偏っています。やはり女性の方が繊細なんですよね。女性は大うつ病で男性の2倍、気分変調症では男性の4倍以上といわれています。
「女は人生で三度、生まれ変わる」という本がありますが、思春期・妊娠出産期・閉経期という、女性特有のホルモンバランスの変化が関係しています。女性ホルモンは思春期・妊娠出産期・閉経期に大きく変動し、また月経の周期でも変動しています。
女性のうつを時期的なもので分類すると以下の4つの種類になります。
● 月経前 ●産後 ●マタニティーブルーズ ●更年期
※マタニティーブルーズは正確にはうつではありませんが、関係は深いので一緒にまとめています。
どれも男の私にはわからない女性に特有のものですね、毎月ホルモンバランスの変化が起きていて脳神経系に影響を与えているわけですから。
生理的な大小の変動の波をずっと体験しながらそこで心身の安定をキープしようと努力しているから、男性よりも常に生理的な負荷のかかったメンタルトレーニングを継続的に続けているようなものです。
女性は男性には見えないところで大きな生理的変動の波を経験しているわけです。 勿論、うつには心理的な要素もかかわっています。だから個人差があるわけですが、それが全てということでは決してないんです。
女性は大きな生理的変動がありメンタルの状態に波が生じやすいとはいえ、「子供を産む」という機能を有した身体を持つゆえに、逆に男性よりも生き物として逞しい存在でもあるといえるのかもしれません。
月経前不快気分障害 (PMDO)
● 月経前 ●産後 ●マタニティーブルーズ ●更年期 に起きる女性のうつをそれぞれ詳細に書いていきますがpart1では月経前不快気分障害 (PMDO)を書き、
「女性のうつpart2」では産後 マタニティーブルーズをテーマに書いていきます。⇒ 女性のうつ part2 産後うつ マタニティーブルーズ
月経前不快気分障害 (PMDO)
PMS(月経前症候群)なかで特に精神面の症状がきつく、日常・社会生活に支障が出るような状態をPMDD(月経前不快気分障害)と言います。⇒ PMSって? | 知ろう、治そう、PMS【月経前症候群】
女性の生涯月経回数は約400日ほどと言われていますが、これは少子化の現代の女性の話で、明治・大正生まれのお婆ちゃんの世代では子供を産む数が今よりずっと多かったため、生涯月経回数は全く異なります。
子供を平均5、6人は生んでいた明治生まれの女性では、約50回ぐらいにまで減ります。50回と400回、これは物凄い差ですね、
生理痛の苦痛の強弱は女性によってもかなり個人差がありますが、例えば一回の生理で苦痛のある日が2日、3日ある場合、生涯の苦痛の合計は少ない人で800日、多い人ではなんと1200日以上になる。
これは実に約4年に相当します。4年間も苦しい日があるなんて大変なことですね。
少子化問題は見えないところで一部の女性の苦痛を増やしてもいるともいえるでしょう。女性のうつが増えたのはこういうところにも原因があるのかもしれません。
女性は大うつ病で男性の2倍、気分変調症などでは男性の4倍以上と言われています。 だから社会全体のうつ病が加速的に増えているのは、少子化問題とも深く関係している可能性が考えられます。
妻が心身が辛い状態が多く余裕がないのであれば、当然夫もその影響に無関係ではありません。仕事で疲れて家ではストレスを癒そうにも、「数百回も意識変動がある妻」にはなかなか安定した接し方が出来ない場合も増えてくるでしょう。
オマケに男女共働きしなければ子育ても教育費も苦しい社会的状況では、女性は「数百回の意識変動+仕事のストレス+育児のストレス」という負荷がかかってくるわけで、
しかもさらに夫の仕事のストレスやメンタルまで支え癒すとなると相当なものですねこれは。そしてここに嫁姑問題やら他の精神的なストレス、健康問題など、次々と望まない追加注文がされて煮え湯を飲まされるのが人生であります。
既にギリギリのところで頑張っているのもかかわらず、この上さらに嫌な事や悲しいことが続けば、まぁ、うつにもなるのも当然とさえ言えるのかもしれませんね。
しかもそこで夫が理解なく攻撃的な批判をすれば、夫婦関係が険悪になるのは全く当然のことというものです。
まぁ男性には男性の、女性に女性の、老若男女それぞれに異なる「辛さ」というものはあるでしょうけど、互いの辛さを責めたり否定するのではなく、お互いが補い合うような関係性がいいいですね。
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