今日もスピリチュアルのウソがテーマで、昨日は「霊的な体験が本当に内的に生じて自己肥大している人」の錯覚のメカニズムと無意識の特徴・性質がテーマでした。
今日は「心理操作を半無意識的に、あるいは意識的に多用して暗示をかけて、一般人を信じさせたり、自らも妄信しているタイプ」が考察の対象です。
このタイプの人は、今まで検証してきた「霊的な体験が本当に生じている人」に比べてずっとシンプルなメカニズムなので、記事もシンプルに一回で終了です。
これらのタイプの人の心理学的なメカニズムを一言でいうと、自他及び現象に対して認知バイアスが「かかっている」あるいは「かけている」だけです。
それらのバイアスを細かく分けると、
➀ 確証バイアス ➁ バーナム効果 ➂ アンカリング の3つの認知バイアスです。
➀ 確証バイアスとは、「個人の先入観に基づいて他者・現象を観察する」という社会心理学の概念で、全く同じではないですが似たものとして「我田引水」があります。
つまり自分に都合よい情報・知識だけを集めて、自己の先入観を補強するという心理であり、これはスピリチュアル・疑似科学・新興宗教には強く見られ、あるいはそれ以外の場合でも広くみられるバイアスです。
人は、自分が本当だと「思っている」「思いたい」ことを確かめるための肯定的な情報を探しますが、逆に反証や疑念となるような証拠・情報を無視・否定したり、積極的に探す努力は怠ったりします。それによって最初の「そう信じたい判断・思い」を補強するための情報だけで検証や確定などが行われます。
それは自作自演的な方法でしかなく、確信犯的に納得を得るためのプロセスでしかないため、結果的に「自分の判断は間違っていない」と、そう思い込みたいだけの心理です。
これは政治や思想、営業や広告などでも良く使われます。使い方次第で悪用にもなれば、別に悪いものでもないものにもなります。
➁ バーナム効果とは、誰にでも該当するような曖昧で一般的な、「複数の意味に取れる」ことを言われたりした時に、それが自分に対して個人的に言われたもののように感じ、自分に当てはまるものだと自ら錯覚する心理効果のことです。
➂ アンカリングとは、あることを判断する際に、特定の特徴や情報の断片を際立てって強調して重視する、させることによって方向付け、印象付ける心理の効果です。これも使い方次第で善用にもなれば悪用にもなるものです。
これらの3つの認知バイアスに加えて、ホット・リーディングとコールド・リーディングという二つの技法を組み合わせて使うのが、一部の「ニセモノ霊能者・スピ系有名人・新興宗教組織」のよく使う人心操作の方法です。
ですが、これらも霊的な世界以外でも頻繁に日常的に使われていますし、使い方次第で悪用にもなれば全くそういう風にならない場合もあるので、これらを使っているからと言って、その全てが「悪」の心理操作技術というのは極論です。
ホット・リーディングとコールド・リーディングに関しては詳細は以下のリンク先で。 それでは今日はこの辺で。無意識のテーマはまた来週に続きます。
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