今回は、悪徳マルチ商法・カルト系新興宗教・詐欺・自己啓発セミナーにハマった人のための具体的・現実的な対策のためのリンクのまとめと、悪徳マルチ商法と・カルト系新興宗教組織の類似点やその構造を説明するPDF・動画などの紹介がメインです。
「今それに巻き込まれている真っ最中の人々」、とにかく「現実的な具体的な対処が必要な人々」のための内容です。
もし、「詐欺」かどうかわからないが何だか怪しい電話やメールが来たとか、話が上手過ぎる「おいしい金融商品の取引話」などを勧められたとか、不安や疑問に感じることがある時は一人で悩まず、感情や勢いで決断せず、気持ちを落ち着けて以下の窓口をご利用ください。
● 消費者ホットライン 0570-064-370
※土日祝日もOKです。
● 警察相談専用電話 #9110
※詐欺や生活の安全に関する悩みごと・困りごとの相談に。
ではここで、木島 由晶 氏の「連鎖販売」に関するPDFからの引用文を紹介します。このPDFは「マルチ商法」を絶対悪と断ずるような、批判的考察をしたものではなく、「連鎖販売と宗教の近似性」を分析したものです。
「連鎖販売にみられる「宗教性」の一考察 ―企業理念とニューエイジ思想との比較を通して―」 より引用抜粋
周知のように、積極思考とは、何事も前向きに考え、成功することを願えば、その「夢」はいつかきっと叶うという自己啓発的な考え方をさす。
小池は、この積極思考がニューエイジ運動、自己啓発セミナーの「気づき」(self-awareness)の哲学、そして連鎖販売の企 業理念に色濃く反映していると指摘している(小池, 1996;1998; 2007)。
要するに、一部の新(新)宗教、自己啓発セミナー、連鎖販売は、 同じ幹から派生した枝のような関係にあり、以上のことから、連鎖販売は現代社会の「擬似宗教」 (para-religion)のひとつとみなされるようになったと考えられる。
宗教社会学者のA. L. Greil によると、「擬似宗教」とは「一見すると非宗教的だが、組織宗教と共通する諸特徴をもつもの、または、 世俗的な事業でありながら究極的関心にかかわるもの」をさす(Greil,1993:156)。
Greil は具体例として、アムウェイやシャクリーなどの連鎖販売の団体、毛沢東の信奉者グループなどの政治団体、自分の人生の変容をかかげるダイエット・プログラムを提供したり、健康食品をあつかったりする医療・健康団体などを挙げている。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元 ⇒ 連鎖販売にみられる「宗教性」の一考察 ―企業理念とニューエイジ思想との比較を通して― 木 島 由 晶
※木島 由晶(きじま よしまさ)大阪大学大学院人間科学研究科 博士後期課程修了 人間科学博士
※マルチ商法の全てが悪徳商法(違法)とは限りません。ですが安易に信じるのも危険です。特に、「虚偽の説明・法外な価格・各種法律に違反するもの」には十分にお気をつけください。
タイミング+ 心の波・揺れ・隙間
詐欺にあったりカルトを盲信してしまう危険性は、ごく普通の健常者でも心理的なタイミング次第では十分にありえます。
心・精神が弱っている時、強い不安や恐怖に囚われている時、現実への違和感・不満やストレスがある時、無意識下に不調和・トラウマが存在する時、行き場のない欲求がアノミー化する時、
そういう心の波・揺れ・隙間に付け込んでくるわけですが、彼等は受け身ではありません。騙す相手が自然にそういう心理状況になるのを待ってなどいないんですね。
どうやったら信者拡大出来るか、どうやったらもっと稼げるか、そうやって色々工夫しているわけです。相手の心理を揺らし心の波を作り、その隙間に付け込むタイミングを。
いろんな話で恐怖や不安を煽ったり逆に希望や成功のイメージを与えたり、一方では安心や自信を与えつつ、他方では不安や卑屈さも与えながら、そうやって絶対的な信頼、価値へと意識誘導していきます。
なので、ごく普通の健常者でも心理的なタイミング次第ではスッと持っていかれるわけです。ならば心・精神の病の人なんて絶好のカモネギでしょう。陰謀論やら病的オカルトの話は、普通の健常者であれば簡単に信じたりしませんが、心・精神の病であればそうではありません。
あなたの会社の真剣な会議の場で、「爬虫類宇宙人が地球を支配しているんです」「こんな会議よりもアセンションの方が人類に急務です」とでも言ってみてください。誰も相手にはせず「頭のおかしい人」だと笑われて終わりでしょう。
ですが心・精神の病の人や人格障害などの場合、病的なイデオロギーや病的なオカルトなどの偏った認識を簡単に盲信してしまうことがあるんですね。なので心・精神の病の人やバランスを崩している人は、健常者以上にそういうことには用心して対応しないといけません。
ですが認知のバランスが酷く崩れている時にそれをシッカリやれと言われてもなかなか難しいわけですね。 鬱の人に「気合いで頑張れ」と言うような矛盾したアプローチでしょう。
なのでそういう自我の危機を適切に保護したり治療したり回復させるシステムというものが、精神医学だけでなく、もっともっと様々なケースに対応するアプローチが必要だと思います。
認知の偏り、情報・経験不足、そして「タイミング+ 心の波・揺れ・隙間 」、そこには詐欺や盲信が入りこむ機会が出来るんですね。それは教義・教祖への盲信という錯覚を生む原因ともなれば、悪徳商法の詐欺師の言葉にコロッと騙される原因ともなるわけです。
以下にカルト系新興宗教・霊感商法にハマった、あるいは「騙されているかもしれない」という状況にある人のために、より具体的・現実的な対応への参考サイト・PDFのリンクを紹介します。
カルトにも色々あって、個々に見ていくと質の差異や個性の違いはあり、信者も個々に見ていけばその信仰動機や意識状態には差異があり、また教義内容や組織の活動の質もひとくくりには出来ませんが、大まかな共通点はあります。
カルトの大枠の部分、大まかな共通点としてのパターンや流れをシンプルにまとめている動画を参考として紹介します。
なぜ人はカルトにはまるのか? — ヤンヤ・ラリッチ
今日、世界には何千というカルトがあります。大まかに言うと、カルトとは通常何か極端な思想に傾倒するグループないしは運動で、典型的には1人のカリスマ的指導者によって体現されています。
でもカルトとそれ以外のグループを区別しているものは、正確には何なのでしょう? そしてなぜ人はカルトに加わるのでしょう? カルトがいかにメンバーを集め、操作しているのか、ヤンヤ・ラリッチが解
説します。
次に、ADAGIO 研究所研究員・消費者問題アナリスト 小町由香里氏の参考PDFからの引用文を紹介します。その後に続けて悪徳マルチ商法の関連サイトの紹介もしています。
「勧誘限界説による集団内マルチ商法拡散のシミュレーション」 より引用抜粋
2008 年秋,国会議員へのマルチ商法業者からの献金問題等がマスコミを賑わせた.この際の重要な論点の一つに,「マルチ商法は すべて悪なのか」がある.この議論は今に始まったことではない.
「良いマルチ・悪いマルチ論」などと呼ばれ,1970 年代からマルチ商法の肯定派と否定派の間で延々と議論が繰り返されている.マルチ商法は法律によって厳格に規制されているものの,現在の日本におい
ては少なくとも違法ではない.報酬プランの多様性,商品・サービスおよび消費型会員の存在,フランチャイズや愛用者活用方式との境界線の問題など,連鎖販売取引全面禁止を阻む要因が存在するためとされるが,この違法ではないことがマルチ商法対策を困難にしている.
「法律を遵守し,公正で健全なビジネス活動をしている企業や販売員も存在する.マルチ商法全否定はおかしい」というのがマルチ商法肯定派の主な主張である1.対して否定派は,マルチ商法のシステムそのものに本質的な欠点があると主張する.
昭和51 年(1976 年),国会に招致された竹内昭夫元東大教授が述べた「(公正なマルチとは)安全なペスト,無害なコレラと言うに等しい2」は特に有名な言葉であり,現在もなおマルチ商法否定派に用いられている3
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
〇 人はなぜマルチ商法にはまるのか?
〇 セミナー、マルチ商法、宗教に入会して目が覚めた人
〇 マルチ被害の日記
悪徳マルチ商法はカルト同様に様々な形態をとります。自己啓発セミナーやヒーリング系、カウンセラー系の形を取ることもあります。そして困ったことに、宗教や精神世界同様に、何もかも全てが嘘っぱちとか無意味・無価値・効果なし、というわけではありません。
ですが仮に何らかの効果があっても、「そんな大層なことをしなくても、それ以外にもっと普通で自然で効果的で費用の少ない方法は本当にないのか?」「その現象を説明し対処しうる科学的・客観的な方法は本当にないのか?」ということを常に頭に入れておいて下さい。
私も感性的な色々な経験があります。そのメカニズムも様々な角度から分析した記事を書いています。「科学的実証こそされてないが影響を与えている何らかの力学」が確かに存在していると感じてもいますが、
そこを中心に置いて現実的選択の方を否定するのではなく、あくまでも現実をベースに選択し、飛躍した行動・決断・選択に走らない冷静な対応をしてくださいね。
そしてそういう「普通ではない感じの方法や知識」というものは、一見すると何か特定の組織や特定の個人でないと学べない得られないもののように思えても、
実際はちょっと探せば極簡単に手に入り、しかも様々な知識の寄せ集めの編集に過ぎないことも多々ありますので、大金をかけたり大きな労力・時間を投資する前によく考えてくださいね。
以下に自己啓発セミナーの参考サイトのリンクを紹介します。
〇 まるで蟻地獄…… 自己啓発セミナーにどっぷり浸かった筆者が語る抜け出せないワケ
〇 自己啓発本は読んではいけない? 180度ではなく、5度くらい視野を広げてくれる本を
「国民生活センター」 より引用抜粋
国民生活センターの担当者を名乗り、「消費者トラブルに遭っていないか。被害を調査している」「過去に遭った投資被害を回復する」などの不審な電話についての相談が寄せられています。
2011年10月24日にも「国民生活センターや国民生活センターの関係者をかたる怪しい電話にご注意!」として、注意喚起したところですが、最近になって新たに消費者ホットライン「0570-064-370」(注)
(全国統一番号)を案内する手口が目立っています。(注)消費者ホットラインについては、全国の消費生活センター等で紹介しています。
最近の手口
1.国民生活センターの担当者を名乗り、消費者に対し「被害の調査をしてまとめて返金手続きをする。被害の状況を教えてほしい」などと言っ て、実在の消費者ホットラインへ連絡するよう誘導します。
2.案内された消費者ホットラインが国民生活センターのホームページに掲載されていることで、消費者に電話をかけてきた人物を信用させます。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
◇ 詐欺関連記事の紹介
素直さ・人を信じることは本来は良いこと
人を信じることなしには誰かと良き親友になることも出来ませんし恋も出来ません。そして素直さがない心は人から学べません。
誰も信じず素直さが全くないような心は、人を信じ素直である心よりもずっと病的です。素直さも、人を信じることも、本来は良いことであるのに、その良さが仇になるというのは何とも残念な現象です。
誰を何を信じ、誰に何に素直になるかで、全く違った結果になるからです。その良さが仇にならないように、また病的な不信感と排他的な心にもならないように、
良い要素は殺さずに、そして同時に罠にもハマらないよう、基本的な情報を押さえておくことと、防衛と対処の方法も知っておくことが大切ですね。
コメント