統合失調症 - 病の定義と治療の在り方についての疑問 

 

「統合失調症」とは一体何だろうか? この病気の原因は未だに不確定であり、治療現場においても試行錯誤と共にあるような状態でしょう。

「緊急取材中―精神科病院・20万人以上が1年以上の長期入院という現実―」より引用抜粋

1980年代には、国際法律家委員会(ICJ)と国際保健専門職委員会(ICHP)との合同調査団が日本に派遣され、

WHOの報告書では、“人権保護や治療の観点からきわめて不十分”と指摘されていました。しかし、状況はすぐには改善されませんでした。

いま、国は、消費税の増税分で確保した904億円を使って、「精神科長期療養患者の地域移行」を考えています。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 緊急取材中―精神科病院・20万人以上が1年以上の長期入院という現実―

「何故そうなるのか?」という原因が未だ突きとめられていない病気を、「現時点ではこの可能性が高い」で決めつけた対応をするだけであるならば、

極端に言えば「患者に対して行われる人体実験」に似たようなものであり、そのような「よくわからないもの」へ試行錯誤しながらの対応であるならば、その過程で色々と見落してしまうことになるのは当たり前でしょう。

なにしろ対象が「心・精神」という抽象的なもので、歯を治したり骨折を治すのとは違う。医師達は「疾患単位としてまだ確立していない目には見えないもの」を扱うのであるわけだから。

このように科学的にはまだ不明確で曖昧な状況で、病名の認定やら治療行為がガンガン実行されている事自体、ある意味とても不思議ともいえます。

まぁ理想論での話ですが、「心・精神」を「修理」する技術・能力など現時点の精神科医達に本当にあるのか?もしそれが科学的な技術と言えるほどのクオリティであるのならば、

「心・精神」がどのような全体構造によって成り立っているのかということが細部まで明確化・定義化されてなければならないでしょう。

ある人物の「心・精神」が病気と言うならば「どこがどのようにして壊れているか?」を明確に実証し、その実証されたものに対して適切な治療がなされる、という順番でなければならないでしょう。

ではここで、ちょっとあなたに想像してみて欲しいのですが、仮にあなたが病院に行ったとします。そこで医師からこう言われたと想像して下さい。

『目に見えませんし科学的実証もできませんが、経験則と帰納法的な結論からおそらくあなたは「酷い病気」のように「感じられ」「考えられる」ので、今からあなたを隔離・拘束し緊急処置を実行しますね。

経営上の制約もあり我々はボランティアではなく生活もあるのでお金ももちろんいただきます、資格・権限はありますが「責任」は必ずしもとりません。

そしてあなたの病気の原因も治療法も科学的に確定はしてないため、治るかもしれませんし、治らないかもしれませんが、「今のところこれが一般的だとされてる治療」を、今からあなたに「やってみます」ではさっそくやってみるのでこちらへどうぞ。』

というようなことを、もしあなたがされたら凄く不安ではないでしょうか?もちろんこんなことを言う医師はいないでしょうが(笑)

ですが、こういうことを実際は言わなくても、本質的には「こういうことをしている」わけですが、

まぁ理想論ばっかり言っても精神医学は発展途上の段階なのである意味「仕方のないこと」でもあり、患者が納得できるだけのサービスが行き届いていない背景にも現実的なシステム上の問題も含まれているわけです。

 

2017 追加更新 - ここから -  

「現実的なシステム上の問題」の例として「精神科特例」の問題がありますが、以下に参考外部サイト記事を紹介しておきますね。

「精神科特例」廃止を提言【日本医療労働組合連合会】 より引用抜粋

国が打ち出している精神障害者の地域移行の取り組みが進まない理由として精神科特例を挙げ、入院平均日当は一般病院の約3割、100床当たりの医師数は23.5%、看護師・准看護師は52.6%という現状を紹介。

90%台の病床利用率を確保しないと経営困難である一方、精神病床の9割以上を民間病院が占めるため、経営の安定に主眼が置かれ、長期入院患者は必然的に増えると指摘した。

さらに、近年では3カ月以内での退院が増加していることから、空床対策として認知症患者を積極的に入院させる新たな問題も生じているとした。

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒「精神科特例」廃止を提言【日本医療労働組合連合会】

追加更新 - ここまで -

現実問題として、今理解できている範囲で、医師・病院は、患者に起きている症状を見極め治療しなくてはならないわけです。患者さんがその後社会生活を支障なく送る事が出来るまで回復させれば、一応は治療成功と言えるわけですが、

「人間の心・精神」を相手にする以上、「脳・神経と精神の関係と構造」が本当に科学的に明確に解明され、

そして単に生物学的・医学的な側面の理解だけでなく、社会的存在である人間の心そのものを深く全体的に理解していなければ、本当の意味での精神の治療など出来るはずがないんですね。

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