今日は東洋医学からみた「うつ」の構造と、治療としての「漢方 鍼灸・ツボ」をテーマに記事を書いていますが、「うつの方」に限らず一般の方の心身の疲労回復や健康維持の内容も含んでいます。
「無気力」な状態は、漢字をそのまま見るなら「気の力が無い」という状態です。漢字には「気」がつくものがとても多いですね。そして東洋医学の漢方や鍼灸には「心身一如」、「医食同源」というものがベースにあります。
西洋医学でいう「うつ病」は、東洋医学では「鬱症」と呼ばれ、気鬱、血鬱、痰鬱、湿鬱、食鬱、火鬱などに分類され、これを「六鬱」といいます。そして五臓六腑の「五臓」にあたる「肝」「脾」「心」「肺」「腎」のバランスが崩れることで疾病が発生すると東洋医学では考え、
「気」の運動を「気機」と呼び、この「気機」の失調によって「気逆・気鬱・気滞」などの病変が出現すると定義します。例えば以下のような自覚症状です。
気が不足する⇒「気虚」⇒ だるい・気力がない・疲れやすい・声・眼に力がない
気の流れが滞る⇒「気鬱」⇒ 抑うつ・のどのつかえ感・胸の詰まった感じ
そして人体の「気機」の運動パターンは「昇・降・出・入」の4つであり、「気機」をコントロールしているのが「肝」とされます。以下のサイトで東洋医学的の基本的な概念がわかりやすくまとめてあったので紹介しておきますね。
⇒ 五臓間の関係
つまり、東洋医学的の「気機」の失調でおこる病気の流れを簡潔にまとめると、感情不安(ストレス)が限度を越える ⇒ 五臓の気機が鬱滞 ⇒ 気鬱が長引く ⇒ 損傷が気から血に及び ⇒ 様々な病気へと発展する。 となります。
漢方
「漢方」は今は現代医療と併用という形で病院でも処方するケースは増えています。以下に紹介の外部サイト「Kampo view」では、「漢方」と「現代医療」に関する内容がバランスよくまとめられているので、以下に引用紹介します。
「Kampo view」 より引用抜粋
「漢方は日本生まれ・日本育ち」
日本に中国から医学が伝わったのは5~6世紀以降。その際、多くの漢方処方薬や生薬、医学の本が持ち込まれました。
その後、室町時代までは伝来した中国の医学にそって医療(診断や治療)が行われていましたが、それ以降は日本で独自の発展を遂げていきます。日本国内の風土や気候、日本人の体質やライフスタイルに合った医学に進化し、確立していったのです。
現代医療で用いられている漢方医学や漢方薬は、日本の伝統医学としてずっと守られ、発展していった「日本独自の医学」と言えるでしょう。
(中略)
2012年3月現在、148処方の漢方薬が健康保険で使えるようになっています。健康保険が使えることになったことで、より漢方薬が身近になり、病医院で漢方薬を処方するケースが増えてきました。 西洋薬と漢方薬が一緒に処方されることにより、幅広い治療が可能になります。
(中略)
日本で漢方薬を処方するのは、西洋医学を学んだ医師です。西洋医学と漢方医学、両方の視点から患者を診て、その人にあった薬を処方するという医療システムは、世界的にみても非常にまれなことです。
(中略)
最近では、漢方薬について西洋医学の評価法によって検証が行われ、その有効性が実証されてきています。漢方薬は経験に基づく伝統医学というだけでなく、科学的な根拠に基づく医学(Evidence Based Medicine)といえるようになりつつあるのです。現代の漢方は海外でも注目されていて、アメリカ国立衛生研究所(NIH)でも代替療法を研究する部門(NCCAM)ができました。また米国消化器病週間(DDW)でも漢方薬の効果についての論文が発表され、多くの医師の関心を集めています。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ http://www.kampo-view.com/shirou/japan.html
◇ 心の病気と漢方 『 医者と学ぶ「心のサプリ」』 より関連記事の紹介
〇 うつ病・うつ状態に漢方薬は有効?病院でのうつ病の漢方治療
〇 不安神経症に漢方薬は有効なのか?病院での不安神経症の漢方治療
〇 パニック障害に漢方薬は有効なのか?病院でのパニック障害の漢方治療
〇 自律神経失調症に効果的な漢方薬とは?病院での自律神経失調症の漢方治療
漢方に詳しい病院・医師検索サイト
サイト説明文「Kampo view」より引用
漢方処方のこと、迷ったらお医者さんに相談を。 診療科目・都道府県・市町村名を入力し、漢方で評判のお医者さんが探せます。また、検索した病院の口コミが掲載されているので、お医者さん探しのヒントになります。
漢方、漢方薬に詳しい医療機関(病院・医院・医師)を全国約9000件の登録医療機関から検索できます。
◇ 日本東洋医学会
医療関係者向けの専門的な内容とともに一般の方向けのページも設置。漢方専門医の検索もできます
鍼灸・ツボ
「WHOも認めるツボの有効性……経穴・経絡とは」より
民間療法だと思われがちな「ツボ」。正式には経絡・経穴と呼ばれるもので、世界保健機関であるWHOにも、医学的有効性が認められている治療法の一つです。ツボの作用、役割、成り立ちを始め、近年の発見や、足ツボ、耳ツボの起源について解説します。 ⇒ WHOも認めるツボの有効性……経穴・経絡とは
◇ 参考・外部サイト記事の紹介
〇 米で注目のうつ・自殺対策、日本独自の「無痛鍼灸」とは(2016年9月17日)
〇 うつ病についてのシステマティックレビュー-うつ病に対して鍼治療が有効であるというエビデンスはあるか-
「うつを鍼灸で治す」
– 以下ユーチューブ動画説明文引用 –
一般にうつの治療には、抗うつ薬が使われますが、副作用などによって悪化することもありますし、新型うつのように、従来の抗うつ薬があまり効かないケースも出てきています。
そこで、うつに悩む多くの現代人にぜひ試してほしいのが、鍼灸によるうつ治療。鍼灸は肩こりや腰痛など身体の不調を治すものという印象が強いのですが、うつ病、気分障害、自律神経失調症、睡眠障害など、心の疾患にも効果があります。
ツボに関しては、私は全身の様々なツボをいろいろ試してみて、特に効果のあったものだけを以下に紹介しておきますね。(図入り解説付きの外部サイトに飛びます。)
○ 百会(ひゃくえ) ○ 神門(しんもん) ○ 内関(ないかん) ○ 労宮(ろうきゅう)
○ 膈兪(かくゆ) ○ 腎兪(じんゆ) ○ 気海(きかい) ○ 湧泉(ゆうせん) ○ 三陰交(さんいんこう)
以下の動画で紹介の「ツボ」もやってみて効果はありましたので紹介しておきます。※ 効果には個人差がありますので、あくまでも「補足のエクササイズ」として活用してください。
そして、「体全体」を回復・調和させることを考えるのであれば、漢方+ツボ(鍼灸)+気功(太極拳)という感じに、『食事で気を補いバランスを整え、ツボや鍼灸で詰まった経絡を通して気の流れをよくし、気功や太極拳で全身に循環させる』という風に組み合わせることで、相乗効果を得ることが出来るでしょう。
◇ 関連記事の紹介
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