人生はタマネギみたいなもの。ひとつ剥くたび、ときに泣けてくるのさ(アメリカの詩人、作家、編集者)
今日はネガティブな名言・迷言集の紹介と、それらの言葉を物語風に編集して組み合わせて「太陽と月の恋」という短編詩集的なものを作りました。
ネガティブを「影・月・女性原理」にたとえ、そしてポジティブは「光・太陽・男性原理」にたとえています。
「太陽と月の恋」
「明けない夜はない」太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「そうね、暮れない昼は無いないものね」
「不幸ばかりが人生じゃないさ」太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「不幸は単独ではやって来ないものよ」
「これで十分と思ったらそこで止まる、常に不十分と思って頑張れ!」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った『 シェークスピアはこう言ってるわ「さらに良くしようとして 良いものを駄目にしてしまうことが多い」って 』
「なんで何もしない?何もしないからお前は結果が出ない!」太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「そうかしら、最初からなにもしない人なんて殆どいないものよ 結果が出ないから人はなにもしなくなるじゃないかしら」
「成長するために七難八苦を望む者は、全ての人に心を開きなさい。」太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「もし全ての人に心を開いたら、きっとほとんどの人があなたをむさぼるだけよね」
「大志を持て、大きな夢を持て、そして壮大な人生を描いて生きろ!」太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った『 そうかしら、エマーソンはこう言っていたわ「壮大な人物は耐え難いほど利己的である」って。』
「信じなければ始まらない」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った『 そうかしら、この世は「疑わなければ始まらない世界」よね 』
「男子家を出ずれば七人の敵あり、の気概を持て!」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った『そうね、「人間関係とは心を殺すか殺されるかの競り合い」になってる社会だものね』
「止まない雨はない、明日はよいことあるさ」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「きっと明日も雨に濡れるから 支度しなくちゃ 心殺せば楽だから」
「求めよさらば与えられん」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った『 新しい喜びは新しい苦痛をもたらすって モーツァルトは言ったわ 』
「汝の隣人を愛せよ」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「見知らぬ他人に親身になってあげても失敗するだけだから、最初から構わないほうが身のためよ」
「失うことを恐れるな!そうすれば生きることは怖くなくなる!」太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「そうね、失うことに慣れれば死ぬのも怖くなくなるわね」
「新しい友との出逢いは、あなたを成長させる」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った『 「そうね、相手と友人関係が始まると必ず思うの、 「いつ、どんな形でこの人と縁を切る羽目になるのだろう」と 』
「お金が全てじゃない、人生にはもっと大事なものがある」 太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った『 そうかしら? オスカー・ワイルドさえこう言ったわ「若い頃は、私はお金こそが人生で最も大切なものだと思っていた。今、歳をとってそれが正しいことを知った。 」って 』
「社会的意義を持て!そうすればお金だけが全てではなくなる!」太陽は自信満々に言った
月はポツリと言った「そうね、人から社会的意義を取れば何の存在価値も残らないような社会だものね。」
意見の全く合わない月と太陽は、何故か惹かれあい結婚した。やがて太陽は月に疲れ失望し、月は太陽を拒絶した。そして夫婦の別居生活が始まった。それが夜と昼という二つの世界を作った。
そしてこの太陽と月の葛藤と失望が、人間の男女の世界として地上に降りてきた。それが結婚の迷言となって後世に伝えられたとさ。
● ウェディングケーキはこの世で最も危険な食べ物である (アメリカの諺)
● あらゆる人智の中で結婚に関する知識が一番遅れている。 (バルザック)
● 結婚とは、ただ一人のために残りの 人々をすべて断念せねばならぬ行為である。 ( ムーア)
● 女房に愛される技術というものは発明されないものだろうか。(ラ・ブリュイエール)
● 結婚したまえ、君は後悔するだろう。 結婚しないでいたまえ、君は後悔するだろう。 (キルケゴール)
● 結婚するとは、彼の権利を半分にして、義務を二倍にすることである。(ショーペンハウアー)
● 馬鹿な者は、独身の間は結婚した時のよろこびを空想し、 結婚すると独身時のよろこびを空想する。 ( 武者小路実篤)
● 「男が家から一歩出ると7人の敵がいる」と言うがそれは嘘だ本当の敵は家の中にいる。 (藤岡藤巻)
● 神が同棲を発明した。悪魔は結婚を発明した。(フランシス・ピカビア)
● 結婚をしばしば宝くじにたとえるが、それは誤りだ。 宝くじなら当たることもあるのだから。 (バーナード・ショウ)
● 愛する女と一緒に日を送るよりは、愛する女のために死ぬ方がたやすい。 (バイロン)
● あらゆる真面目なことのなかで、結婚というやつが一番ふざけている。 (ボーマルシュ)
● 一人の男だけ見つめている女と 一人の男からいつも目をそらす女は、結局似たようなものである。 (ラ・ブリュイエール)
● 男は退屈から結婚し、女は好奇心から結婚する。そして双方とも失望する。 (ワイルド)
● 人間は判断力の欠如によって結婚し、 忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する。 (アルマン・サラクルー)
● 独身者とは妻を見つけないことに成功した男である。(アンドレ・プレヴォー)
● 四ヶ月の交際が一生を保証するだろうか? (ジャン・ジャック・ルソー)
● 「人生最良の時は結婚式の日だった」「最悪の時は?」「それ以後の毎日」 (シティ・スリッカーズ)
● 恋は人を盲目にするが、結婚は視力を戻してくれる。(リヒテンベルグ)
● 女は二種類に分けられる。 結婚だけを夢見ている独身の 女性と離婚だけを夢見ている既婚の女に。 (ジョルジュ・エルゴジィ)
● 結婚は、ほとんどすべての人が歓迎する悪である。(メナンドロス)
● 夫婦が長続きする秘訣だって? それは、一緒にいる時間をなるべく少なくすることさ。 (ポール・ニューマン)
月の心は太陽と別れて以来、ずっと「影で生きる人の心」として過ごしてきた。毎日、昨日の自分を裏切って、そして明日の自分を信じて生きてるが、影で生きる人達にはいつも夜しか来なかった。
抜け出せない無限に続く夜の闇。自分を嫌いな自分に酔うが、それに気付けば更に忌み嫌い、そして自虐の悦に入る日々。
月の心の見た世界、それは「人が他人の不幸を喜ぶのは、つまるところそれが世の中を動かしているからだ」という現実である。
月の心には病んだ人の心の傷が見える。だが太陽の心には身体の傷は見えるけど心の傷は見えない。肉眼でもMRIでもCTでも見えない。
だから病んだ月の心は、身体を切って心の傷を手首や腕に具現化して見せるようになった。
月の心たちは「表面の反対側の顔」を見て知っていた。それが後の世に幾つかの名言となって伝えられた。
● 『人間の社交本能もその根本は何も直接的な本能ではない つまり、社交を愛するからではなく孤独が恐ろしいからである』(ショーペンハウエル)
● 『友愛の多くは見せかけ 恋情の多くは愚かさであるにすぎない』(シェークスピア)
● 『我々は幸福になるためによりも、幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである』 (ラ・ロシュフーコー)
● 『人間には 裏切ってやろうとたくらんだ裏切りより心弱きがゆえの裏切りのほうが多いのだ』 (ラ・ロシュフーコー)
月のネガティブさに見るに見かねて太陽が現れてこう言った。
「あなたが生まれた時あなたは泣き周りは喜んだ、そしてあなたが死ぬときは周りが泣きあなたは安らぎほほ笑む、そういう生き方をしなさい」
そして月の心は最後にポツリと言った、
『 イギリスの聖職者・作家がこう言っていたわ、「我々人間は泣きながら生まれ、ぶつぶつと不平を言いながら生き、そしてそれから、がっかりして死んでゆくのである。」って、やっぱりそれが真実ね。』
光と影の葛藤の本質というのは、別々の独立した相対する対象の戦いなのではなくて、「本来は二つでひとつ」の全体性が、相対化され両極化し、そして相互依存的に存在する姿なのです。
光は影に支えられている、影は光によって生まれる、それが理解されないまま、光の方に分離化した心は自らを光だと思いこみ、影の方に分離化した心は自らを影だと思いこむ。
そして光と影が争っているけれど、本来はどちらもそれ自体では存在しない依存的な存在であり、二つでひとつの全体から生まれた役割の違いが、だんだんと肥大化した慣れ果ての姿に過ぎないのです。
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