part1は「潜在能力の仕組み」がテーマですが、これは先々週からのテーマである「無意識の転写」の流れであり、一見は関係ないように見えて関係が深いものです。
昨日、たまたま聞いていたラジオで、番組ゲストのアスリートの方が言っていた話と、写真家の方の話が印象に残ったので、まずそれを書きます。
たまたまつけていたラジオから流れてきたものが耳に入ってきた、という感じの聞き方だったので、その二人の名前など詳しいことはわかりませんが、ところどころに出てくる話の流れから、有名な現役プロの方のようでした。
この二人の話には「意識と無意識の関係」をよく表している話があったので、それで今回書くことにしました。
まずアスリートの話の方です。ラジオのパーソナリティが、ゲストで呼ばれたアスリートの方によくある感じの質問をしました。
「トップアスリートでもやっぱり限界を感じたりとかありますか?アスリートはそういうことは考えないようにしてひたすら努力してるものですか?」
そのトップアスリートは、「いえ、限界を感じたところからがスタートです」と即答。 つまり自身の限界までひたすら頑張っているのではなく、最初から「限界を意識しそれを超えることを目指している」ということです。
それが意識と無意識とどう関係あるのか?ということは後でまた書きますが、やっぱり通常の「顕在意識的な発想」とは違うことが直観的に誰でもわかるでしょう。
次に、プロ写真家の話ですが、ラジオのパーソナリティがゲストの写真家にこんな質問をします。
「撮ろうとして撮っていては撮れないような構図の写真作品とかあるのですが、いつもそう撮ろうとしてシャッターを切るのですか?」
写真家はそれに答えてこう語りました。「いえ、そう撮ろうとするより前に指が動くことがあります。先に指が動いた、それをさせたイメージが先にあるからのように感じます」
以上、二つの話を書きましたが、この二つの話はどちらも「無意識」と「意識」の性質の違いを教えてくれる実例ですね。
無意識へのアプローチ
「限界を感じたところからがスタート」というのは、限界を決めるのが顕在意識の判断機能の働きで、「限界を感じたところ」というのは、顕在意識がその判断をした段階での無意識の平均状態(ポテンシャル)のことです。
無意識の平均状態(ポテンシャル)が、その人の「平均的に顕在化出来る能力の限界」になります。
だからポテンシャルそのものを高めるには、限界を感じたところからスタートすることが必要なのであり、それは言い換えるならば、「無意識」に直接アプローチするには、「限界を感じたところ」からがその最初となるわけです。
限界の範囲内であるのならば、それは無意識にアプローチすることではなく、無意識に条件付けられた意識の継続なのです。
そして「撮ろうとするより前に指が動く、指が動くよりも前にイメージがある」 というのは暗黙知を表しています。
「ある光景に偶然出くわした」⇒「構図を決め」⇒「指を動かし」⇒「シャッターを切る」という流れはよくある意識的な作業手順ですね。
「ある光景に偶然出くわした」⇒「無意識のイメージ」⇒「指を動かし」⇒「シャッターを切る」というのは、意識的に構図を決めるよりも早く無意識的に構図が選択されています。
ですが、これがたまたま出くわした偶然の現実の光景に対して、無意識的に構図が選択されるという瞬間の世界で起きることであり、「イメージが先にあって、それを描いていく」のとは違いますね。
どうしようか考えるよりも早くそれについて体がサッと動くことは、ただの反射も含めて誰でも経験があることでしょうが、
高度な機能であれ生物学的な単純なものであれ、「考えるよりも早く、あるいは意識なく動かしているもの」はみな無意識の機能のひとつであり、それは良くも悪くも私たちを条件づけているものです。
そして私たちを条件づけている無意識は、生きていくことに必要な生物学的な先天的なものもあれば、後天的な必要性から生まれるものもあり、また全く私たち自身にとって妨害要素でしかない負の無意識が、後天的に出来てくることもあるのです。
生物学的な先天的なものであれば、それが限界と感じることは全く正常で当然な反応ですし、後天的な人為的なものであっても、それが本当に必要性のあるものだから形成された無意識であるならば、それに条件づけられることは適応的です。
ですが、後天的に形成された「私たち自身にとって妨害要素でしかない負の無意識」を、私の限界と感じることは全く不自然な反応です。
ですがこういう錯覚は日常茶飯事に起きていることなのです。そういう人は意外に多いのです。だから順序としてはまずこの「錯覚」を解くこと(これをスピ的にいえば「潜在意識の浄化」という表現に該当しますね)、
そして次に、無意識へのアプローチによるポテンシャル自体を成長させるプロセスに入っていくわけです。今日はここまです、またこの続きはpart2で違う角度からすることにします。
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