今回は「情動・創造性と音楽」、「音楽療法の科学的検証」をテーマに、幾つかの動画・PDFなどを紹介しつつ記事を書いています。また感性アプローチの補足として、「神経神話」「管理人から読者様へ」の記事も追加しています。
例えばカウンセリングの効果に、『カタルシス効果(感情浄化)・バディ効果(信頼できる仲間)・アウェアネス効果(気づきと自己洞察)』の三つがあると言われていますが、
芸術療法の「作業療法」は主にカタルシス効果(感情浄化)ですね。芸術療法の代表的なものに「描画療法」「箱庭療法」 「音楽療法」「詩歌療法」「ダンスセラピー」などがあります。
今回は音楽療法がテーマなので補足として米国認定音楽療法士の佐藤由美子さんの記事を紹介しておきますね。
前回、「ダンスセラピー」と「ヒップポップセラピー」をテーマに記事を書きましたが、人はその本質に「何らかの形で自己を表現したい」という生命の衝動・意志を持っています。
表層意識的な言語表現などに対して、それだけでは上手く伝えられないような、そして対話・会話では抑制・省略されがちな、「微妙な感情・印象や強い想い・躍動感など、立体的で生命力を持ったイメージ」がそのまま投影された表現によって、本質的な内的衝動や感情が表現されカタルシス効果が得られるわけです。
あるいはもっと進んで、負の感情を昇華しイメージを具体化して自己実現の原動力とすることも出来るんですね。
「【顔】うつ病を患いながら、障害者の音楽活動を支援するオペラ歌手」より引用抜粋
槙野綾まきのあやさん 42
フランスで声楽を学び、欧米で活躍。アメリカで結婚したが、04年に男児を出産した頃から夫の暴力が始まった。耐えるうち、ある朝、ベッドから起きあがれなくなった。うつ病と診断され、07年に帰国した。
故郷の大阪に戻っても回復せず、訪問看護師に「音楽を聴いてみたら」と勧められた。その時、有線放送から流れる曲に、「暗闇に包まれた心が癒やされ、音楽の本当の力を知った」。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20150520-OYTEW50371/
参考PDF ➀ ⇒ 作業療法と音楽
参考PDF ➁ ⇒ 脳と精神-生命の響き
参考PDF ➂ ⇒身体機能の統合による 音楽情動コミュニケーションモデル
ではここで今回の記事テーマと関連するTEDの動画をひとつ紹介しますね。
我々に影響を与える4つの音について
ハイパーソニック
以下は「ハイパーソニック」とその研究の最新記事の紹介です。
人の耳には聞こえていないけれど、脳の活動にポジティブな影響を与える高周波音「ハイパーソニック」。その効果を利用して、うつ病をはじめ、さまざまな現代病の治療と予防を目指した「情報医療」を切り拓く本田学先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=藤谷清美)
引用ここまで- (続きは下記リンクより)
過去に「倍音」の癒しに関する記事を幾つか書きましたが、ガムランやリュートそしてチェンバロなどはピアノよりもずっと高い周波数を多く含む楽器ですね。
そして治療法としてはまだ確立はしていないのですが、「超音波を使った治療の研究」をしているアリゾナ大学のスチュワート・ハメロフ名誉教授による研究報告の記事によれば、「超音波は微小管とニューロン(神経細胞)膜とに作用する」と考えられているようです。
「微小管はシナプスの可塑性に深く関係しており、理論的には学習、記憶、および意識経験に関わる可能性がある。頭蓋に超音波をあてることは、抑うつ症や低酸素の外傷性脳損傷、脳卒中、学習、アルツハイマー病、精神疾患、意識状態の変化といった、精神や神経のさまざまな疾患に有用な可能性がある」と結論されている。参考・引用元 ⇒ 超音波を脳にあてて気分を操作
ではここで、とても美しいチェンバロの演奏動画を紹介します。クラシック系音楽が苦手でない方は、是非BGMでかけ流しつつ記事の続きをご覧くださいね。
ここで少しテーマが変わりますが「神経神話」に関する記事を以下に紹介しておきます。 (これは感性アプローチで誤解や思い込みを生みやすいための補足です。)
特に新しい情報ではなく古い情報なので既に知っている方も多いでしょうが、人の人格・性格・能力は「左脳タイプ、右脳タイプ」などで明確に分かれているわけではないんですね。
以前にもポール・マクリーンの脳の三層構造説(新哺乳類脳・原始哺乳 類脳・爬虫類脳)の補足で少し書いたのですが、脳はもっと複合的かつ全体的に機能しているものなんですね。
このような本質主義的な脳の捉え方は明確なエビデンスがあるわけではなく、仮説段階、あるいは科学的に否定されたものも混じっています。
「神経神話のウソ? ホント? 」 より引用抜粋
(前略)
1 私たちの脳は10パーセントしか使われていない
2 脳に関して重要なことはすべて3歳までに決まってしまう
3 幼児期における語学などの早期教育は必要である
4 クラシックを聞くと頭が良くなる
5 人には左脳タイプ、右脳タイプというものがある
6 成人の脳は新しい神経細胞をつくらない
7 ゲームをすると脳を刺激させ、脳を若々しく保つことができる
8 男性の脳と女性の脳は違う
9 お酒を飲むと脳の神経細胞が殺される
10 記憶力は向上させることができる
11 眠っている間も学習することができる
12 クスリは脳に穴を開ける
13 ワクチンは自閉症を引き起こす
*****
これ、すべて嘘(=神経神話)だとされているのですが、8は異議ありですね。おそらく「男性の脳と女性の脳は違う」と言ってしまうと、違いが強調されるすぎるからなのかもしれず、フェミニストからは気に入らないと思われるでしょうが、生物学者としては「違うよね」と言いたい。– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ 神経神話のウソ? ホント?
まぁ上記の記事に対して、私は別の考察角度から複合的に見た場合に多少の認識の違いはあります(特に8は同じく異議ありですね。)以下の記事も参考にどうぞ ⇒ 「神経神話」の神話
が、「一般的な考察」としては大体はこの記事と同じ認識です。
ラストに「Miri Lee 이미리 Pianistmiri」のピアノ演奏動画を紹介します。お気に入りです♪
Justin Bieber – One Love | Piano Cover by Pianistmiri 이미리
Jessie J – Flashlight (from Pitch Perfect 2)| Piano Cover by Pianistmiri 이미리
「管理人から読者様へ」
医者・医療関係者ばかりの家系ながら、私自身は心・精神のバランス異常だった頃に カウンセラー・心理学・精神医学の概念や専門治療に一切関わらずに、自身の取り組みで自力で安定化させてきたということと、回復後、家族の中で心身共に元気が良いのが結局私なんですね。
そして量的に期間的に多く長く医学的・専門的治療を受けている母が 心身共に一番病気が多い、という皮肉な状況です。
それは母が「問題の本質ではなく、表面に現れた現象だけを治そうとする」からです。しかし精神医学にせよ他のメンタルヘルスの専門にせよ、その力は完全ではないにしても、適切な治療によって多くの病的現象を抑えたりプラスの作用をもたらすことも事実です。
ですが、薬による治療は負の症状を抑え安定化はさせますが、「心・精神の傾向性を変化させたり、自律的な回復力(レジリエンス)を底上げしているわけではない」です。
医学には医学の確かな役割がありますが、それは人間の心身の全てをカバーできるようなものではない、という意味なんですね。
元々の体質の個人差もありますが、私も幼少期はアレルギー性体質でアトピー性皮膚炎・喘息などの症状があったんですね。例えばアトピーならステロイドとハウスダスト対策というのはセットですが、母は異常なほど綺麗好きなので子供の頃の私はハウスダスト対策は問題なく、
またステロイドの即効性はよく知っていますし、確かに良く効く薬だなぁと子供ながらに感動した記憶もありますのでそれ自体は全く否定はしませんし、変なことをするとかえって悪化します。アトピー性皮膚炎に関しては以下のサイトを紹介しておきます。⇒ アトピー性皮膚炎(日本皮膚科学会HP)
ですが私は徐々に薬を使わなくなり、ハウスダストなどの外的要因やアレルゲンなども気にしなくなり、自身のやり方で治し、その後は酷くなることもなく穏やかに自然回復していきました。
私のやり方が誰にでも通用するかといえばそうではないでしょうし、ステロイドのような即効性があるかといえば違うため、ブログに書くことはしません。ですが仮にあなたには効果がなくても私には効果はあったわけで、私はそれでいいんです。
遺伝的には決してバランスの良くなかった体質が後天的に良くなったのは、他に様々な感性アプローチを自らの意志で創造的に行っていたからだと思いますね。
医学的治療に依存しなかった私だけが、心身の安定後はインフルエンザにもその他の軽い病気・重い病気にも一度もかからなかったのです。ただ病気にならないというだけなく基本元気なんですね。
この心身の元気は未だに継続中ですが、とは言っても医学的治療を決して軽視しているわけでも馬鹿にしているわけでもありません。
子供の頃から日常的に、具体的な病気治療の話しや医療の問題点など現実的な話を父から沢山聴いて育ち、そして人体の科学的構造の専門的な話を沢山聴いて育ったので、その明確な有効性と専門技術・標準治療への確かな信頼感もあるんですね。
同時に、それだけでは上手くいかない現象・現実・心の問題が存在し、心身の不調の改善は、医学的アプロー チを基軸・主軸にしつつも、同時に様々な角的アプローチや補足的なものも必要だと感じているわけなんです。
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