新型うつとファーストクラス

 

最近たまたまテレビをつけると、「ファーストクラス」というドラマがあり、このドラマは沢尻エリカさん主演の女性ばっかり出てくるドラマで、それが「新型うつ」と何の関係が?と思うかもしれませんが、それは後で説明しますね。

内容が女性の陰湿なリアルバトルな内容なのですが、何となく見ていたら、ふっと懐かしい記憶を思い出させました。ただ個人的には「女性の方が怖い」というのはあるレベルまでの話で、もう少し上の方になると逆転し、今度は男の方がずっと怖いレベルになる、と認識しています。

 

まぁ闘争が過剰化・慢性化している現場で働いていたら、まともな人ほど※ 抑うつ状態になるかもしれません。 抑うつ状態=欝ではありません。

まともだから抑うつ状態になったのか、と思えるような人も確かにいます。環境要因を無視することは出来ないでしょう。

外因のみが全てではありませんが、キッカケとしてあまりに心無く理不尽な現実、そういう不毛な姿を直視し、同時に無理にその環境に適応しようと頑張った結果、限界になった人の一部が欝になった、とも言えるんですね。

とはいえ、適度に馬鹿になって楽しもうにも、気楽に考えて忘れようにも、元々自己肯定感が弱い人や自我が弱い人、細かいことが気になり強迫観念的に生真面目過ぎるような人は、そういうふざけた気分になれといわれても急にはなれません。

そして気づけば開放されないストレスが鬱積した負の感情となって、自己嫌悪・他者嫌悪に陥って抜け出せなくなっている人が多くなっている現実があります。これは世の「過剰な自己責任論」の風潮も原因としてあるでしょう。

そういう社会にあって自我の弱い人、バランスの悪い人は、自我の強いバランスの良い人々と共にある競争社会の真っ只中で、どんどん弱く卑屈になって抜け出せなくなってしまうことがあります。

頑張り屋さん = 自我が強い」は常に成立するわけではありません。また「心が弱い = 意志が弱い」も同様です。

 

一見意志の力が強く見える努力家でも心が折れて一気にダメになったり、一見意志が弱いように見える人でも、意外にストレス耐性があり、負の干渉に対して強かったりします。

「外側に見える強弱の感じ」よりも、心身の状態がどのようにているか?の方が本質で、そこにバランス異常や機能不全がある場合、何かのキッカケで負の現象が現れてくるわけです。

本質は心身の状態がどのようにているか?であり、そこが見過ごされたまま現象化した結果だけを周りが責め続けると、本当にダメになってしまうんですね。

今は自我が弱くて卑屈になって抜け出せなくなっていても、それは競争社会のカラクリで相対的にそう条件づけられてしまっているからであり、あなた自身がそんなに自分を責め、無価値感に卑屈になる必は本来ないのです

 

「新型うつ」

 

ではここで精神科医による「新型うつ」に関する講話の動画を紹介しますね。(動画を新しいものに更新しています。)

 

 

情動調節が上手くコントロール出来ないのは、ストレス耐性が低いことと密接に関係しています。そして「先天性の機能不全」が原因よる適応障害や二次障害の悪化のケースは除いて、

私は「新型うつ」と呼ばれるものに関して、精神医学的な対応以外の面での対策があるとするなら、環境そのものを変えるなら、今の場を離れ自身に会う場所を見つけるか、

「場」に問題があるのであれば、その環境自体を改善するように働きかける、という外側の方を変えるパターンか、そうではなく「自身」を変えるとすれば「個の自然自我」と「社会的自我」の強化・調和と自己統合の方向性だと考えるので、(人・状態の質によっては他の方向性もあります)

「運動」がうつに効くとかいっても、トップアスリートでもうつになりますし、アルコールと鬱の関係にしてもそうですね、職種とか職場との相性や家族の問題等、環境要因が強い場合は、生活習慣等の改善ではどうにもならない場合がある。

本来は全てが精神科医の役目なのではなく、心のバランス・成熟度の問題なのであれば、教育の過程・あるいは成人までの期間に土台を作っていくよう働きかければいいし、

「場」にも色々と問題があるのであれば、人がもっと働きやすい場に変更・改善する、というようなアプローチも必要だと思いますね。今と昔の「うつ」の違いとその構造をテーマに書いた更新記事を以下に紹介しておきます。現代のうつ 昔のうつの構造  自己愛的同一化と脳・自我・社会の関係

 

次は貝谷久宣 氏による「非定型うつ病」の記事ですが、氏は、その原因のひとつとして「拒絶過敏性」があることを述べています。

「新型うつ」という概念自体が抽象的でおおまかなくくりなので、「全ての人が単一の状態でかつ単一の原因」といえるような一元的なものではなく、実際は様々なケースが含まれているだろうと考えます。

「若手社員の「新型うつ」は単なるうつ病ではない!パニック障害の権威が職場の偏見と治療の誤解に警鐘――貝谷久宣・医療法人和楽会理事長に聞く」 より引用抜粋

(前略)

典型的なタイプは2つあります。

第一に、プライドが高く自己愛型の人です。たとえば、偏差値の高い学校を出ており、いつもトップを走ってきて、誰かに褒められていないと気が済まないような人。第二に、気が小さくて人の顔色ばかりうかがっている人。

こうした人たちが、ささいな挫折の経験で拒絶過敏症になり、軽傷のPTSDに似た症状に陥る可能性が高いです。

脳の前頭葉機能の低下が背景にあります。本来前頭葉は、感情の起伏や怒りを司る扁桃体、海馬などが激しく活動するのを防ぐ役割を持っていますが、それが抑え切れなくなって、激しいフラッシュバックが起きるようになる。

また、前頭葉の機能が低下すると、眠気が出て、疲労感を覚え、何もしたくなくなってしまう。うつの症状と似ているため、これも混同されやすいところですね。

私のような説を唱えている医師は、まだどこにもいません。しかし、これは想像ではなくエビデンス(検証された結果)に基づいたものです。

私は、患者1人につき1時間は時間をかけてじっくり診察していますが、彼らの8割方にはPTSDの症状が見られます。これは、患者の症状をきちんと分析しないと、見えてこない。

いつも憂鬱感に悩まされるうつ病に対して、非定型うつ病は嫌なことに対するレスポンスなので、嫌な記憶を取り除いてあげればいいわけです。 

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒  若手社員の「新型うつ」は単なるうつ病ではない!パニック障害の権威が職場の偏見と治療の誤解に警鐘――貝谷久宣・医療法人和楽会理事長に聞く 

「自己愛」や「PTSD」、ストレス耐性に関する記事は過去にも書いていますので、過去記事を参考にしてくださいね。これも結局、本質は自然自我・社会的自我の強さとバランスにあるわけです。なので心の成熟度や発達課題とも絡む問題で、

やはり児童期・青年期の教育過程で培うことも同時に必要だと思いますし、その方がより自然で根本的なものでしょう。もうひとつ「新型うつ」の関連記事を紹介しておきます。新型うつは、職場にも問題を引き起こす (1/2)

 

闘争世界の苛烈さ

このブログは心の弱っている読者の方も沢山来られるので、表現・情報は過激になり過ぎないよう、バランスに気を使っているつもりですが、読んでいてきつい・重い・難解だと感じたのであれば申し訳ないです。それはこれからの私の課題ですね (^-^)

話は変わりますが、ドラマ「ファーストクラス」の編集長のセリフなんですが、これが結構まともです。

「戦いに勝てなければ 夢すらみれない」「辞めたければ辞めばいい」「育ててもらおうと思っている人間は生き残れない。自分で勝手に育つ人間だけがクリエーターになれる。」

というようなセリフですが、一見きつい言葉にも聞こえますが、クリエーターや特定分野の実力世界では常識範囲ですね。

私はいろんな分野の成功者たちの成功までのいろんな過去の話を聞いたりもしますが、全てではないですが分野によってはその闘争世界の苛烈さは、ファーストクラスを遥かに超えています。

努力も戦いも半端ない人も中にはいます。その内容は怖すぎるので、わざわざ気分を暗くさせるつもりはないので、具体的なことは書きません。「ほんとタフですね、みんな」とよくそう思います。

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