心理学・人文学 総合

音の中で、世界と私が組み立てられていく 

料理に合う食器があるように、音も歌もそうかもしれない。ニーチェは、生の苦悩に耐えるためには芸術が必要だと述べたけれど、そしてそれは現代の言葉で言えば、芸術は私たちの自己モデルを豊かにし、経験の軌道を広げる役割を持つと言えるかもしれない。しか...
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埋められなかったもの——魯山人と非完結の美

「魯山人のかまど」を見ましたが、藤竜也さんの演技の見事さに感動しました。とはいえあれでもまだ「いい人」な感じに描かれていますね。北大路魯山人は今の時代だったら世に出ることすら不可能で何の功績も残せない可能性すら高かったでしょう。しかし、魯山...
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生成としての世界  平和・道徳・時間・主体

「平和運動」と言う矛盾した運動がある程度成立するとすれば、以下の動画のようなものをいうんですよね。この動画は、コロナ禍の自宅で家族が CCRの曲を明るく楽しく演奏したものですが、この曲はベトナム戦争期の徴兵制度が “貧しい若者だけを戦場に送...
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主体という幻想を超えて──生成・陰陽・関係性から読み直す世界

後編の記事です。前編 ➡ 主体はどこから立ち上がるのか多くの場合、「主体」や「私」という語は、ほとんど疑われることなく使われています。しかしこの前提そのものが、世界の見え方をあらかじめ規定してしまう構造を含んでいます。主体を措定するとは、境...
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主体はどこから立ち上がるのか

今回の記事は前編です。後編 ➡ 主体という幻想を超えて──生成・陰陽・関係性から読み直す世界近代は「主体」という概念を中心に世界を理解してきました。世界を観察し、判断し、行為する中心としての主体。しかし、この主体像はしばしば対立や分断を生み...
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倫理のハイジャック 思想が「内集団の治外法権」へ変質する構造

「まったく乗れないのよね。「人は死んだらホトケになるというのは仏教ではない」みたいなの。日本に限らず、アジアのどこを見ても仏法は、「仏教は無我説を説くから霊魂を認めない」どうこうという言説では全く捉えきれない要素を豊穣に含み込む形態でしか存...
心理学・人文学 総合

なぜ人文系は「いらない」と言われるのか──信頼の喪失と制度の歪み

最近、「人文系はいらない」という議論を目にすることが増えました。こうした言説に対して、ただ防衛的になるのではなく、「なぜそう言われるのか」を考えること。その姿勢こそ、人文学の本質的な部分に通じるものがあります。とはいえ、そもそも「人文」が何...
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哲学なき臨床が生む支配──「問い」を取り戻すための哲学的実践

今回の記事は前編と後編に分かれています。後編 ➡  倫理のハイジャック  思想が「内集団の治外法権」へ変質する構造現代のポリコレやキャンセルカルチャー、そしてアイデンティティ政治の先鋭化には、レヴィナスが批判した「全体性」の論理がしばしば見...
社会心理学・社会学・人類学

知性の罠:標語から構造へ

『知性の罠』という本がある。賢い人ほど愚かな判断をするという現象の分析だ。ノーベル賞受賞者が陰謀論にハマる。ジョブズがスピリチュアル治療を選んで死ぬ。なぜか。知性が高いほど「自分の信じたいこと」を支持する論理を精緻に組み立てられるからだ。賢...
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「正しさ」の独占が終わるとき──「大衆は愚か」という神話

今回の選挙結果をめぐって、世論調査と一部評論家の語りが大きく食い違っています。このズレは、制度の構造だけでなく、公共圏のあり方そのものとも関わっています。まずは、選挙制度がどのような“構造的特徴”を持っているのかを確認しておきましょう。制度...
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